犬の里親日記(25)

事情があって、散歩に行けません!

2015.1.13


2015年に入ってから、我が家の周囲の道路はスケートリンク状態です。

積もった雪の量はそれほどでもないのですが、

中途半端に雨が降り路面の雪が溶け、その後急激に冷え込んだために、

日陰の部分は、その時凍ったままの状態が続いています…。

この年齢になって転倒しようものなら…

軽くて捻挫、下手すると骨折、さらには…。


12年前の今頃、妻と一緒に愛犬たちの散歩中に坂道で転倒して、あわや四肢の完全麻痺に陥るところだった私。

そんな危機を手術によって回避、術後は妻や愛犬に支えられて、日常生活に支障がなくなるまでに回復しましたが、

数年後に、懲りもせずに再び坂道で転倒して、後頭部を軽打。

頸椎には支障はありませんでしたが、

そのせいで耳石が動き(と、耳鼻科の医師に言われました)、1か月近くは、特発的な眩暈に悩まされる破目に…。

少々の痛みには耐えられますが、吐き気を催す不快感と、世の中がいつまでもグルグル回るという未体験の恐怖感に苛まれ、

それ以来、何よりも転倒して眩暈が再現しないよう、滑りやすい下り坂には極力用心深くなっています。


そんなわけで、今年に入ってからは、ソラとサクラの散歩も滞りがち…。

リードで繋ぐことはせず、家と庭とをバリアフリーにしているので、ストレスはないだろうと思っていたのですが、

先日は4日間散歩に行かなかったために、元猟犬候補のブロット・ハウンド種(らしき)ソラが、普段飛び越えることのないフェンスを越えて脱走…。

山の中を走り回るだけで、決して人里へは下りず、その内お腹がすいたら帰ってくることは分かっているのですが、

「万が一、知らない他人様が出遭えば、恐怖心を抱かれるかも…」

「野生動物捕獲のために仕掛けられた罠にかからないか…」

そんな心配が、頭をよぎります。

臆病なこの子は、我が家で飼い始めた8年前には、雪の落下する音が怖くって、何度か脱走したことがありますが、

その時に、ずいぶん叱りつけてしまいました。

それが未だにトラウマとなっているのか、飼い主の姿が見えている限りは、素直には戻ってきません。

でも、庭への入り口を開けておくと、いつの間にかこっそりと戻ってきて、

幾つかある自分専用の居場所で、身体を丸くして寝そべっています…。

今回も、おおよそ1時間ほど走り回った末に、

勝手口においてある座椅子に寝そべりながら、「すみません」とばかりに、尻尾を小刻みに振っていました。

叱りませんが、果たして反省してくれているのやら…。


一方のサクラですが…。

体系が小さいためにフェンスを乗り越えるわけにもいかず、

「ああ、退屈だ!」と言わんばかりに、家の中でおもちゃにしているロープを振り回して、しきりに散歩やらおやつの催促をしております。


【追記】

ところで先日の新聞で、元大関の琴風さんが、私と同じ頸椎後縦靭帯骨化症を患っておられ、

2012年に転倒によって頸髄を損傷し、四肢完全麻痺に陥られましたが、

今はそんな状況から立ち上がり、懸命にリハビリに取り組まれていることを知りました。

氏の病状は、私が陥ったよりもはるかに深刻な状態です。

私の場合は、術後4日目くらいからは、歩行器につかまりながらですが、歩行訓練を開始できたのですから…。


大相撲が特別好きなわけではありませんが、

膝の大けがで三役から幕下まで転落、

どん底の状態から治療やリハビリに励み、ついに大関にまで上り詰めた彼の、

決してぎらぎらとした表情を見せることのない、穏やかで真摯な人柄に惹かれていたものでした。

氏がこの困難も乗り越えられ、不自由ながらも手足の機能が少しでも改善されるよう、切にお祈りしております。