「避妊手術が済んでいるかどうかも不明やから、多分あれと違うか」
サクラを抱き上げて妻に確認させると、
「間違いないわ。やれやれ、一安心やけど、これから2〜3週間は、ちょっとした騒動になりそうやわ!雄が近づかんように注意せな…」と、大きな溜め息!
フィラリアの予防をしていないし、避妊手術もしていないし、やはりブリーダーに飼われていたのでしょうか。
でも最近は、近隣のペットショップで柴犬の売値を見ると、これまでの2倍(16〜18万円)に暴騰!
「以前より儲かりそうなのに、なぜ捨てるの?」と怪訝に思って、その筋に詳しい方に訊いたところ、
「ペットショップを通すと、純粋種としての仔犬の欠陥をあれやこれやと指摘して、二束三文の値段にまで買い叩かれる。
それならばと、飼育希望者に直接売り渡すルートを確保しようとするのだが、タイムリーに希望者が現われるわけではなく、
結局、採算割れして、崩壊するブリーダーが増えてきたのですよ!」
なるほど、よーく理解できる話です。
サクラが我家にやってきた当初は、元の飼い主や、一緒にいた仲間を懸命に探している様子でしたが、
毎日散歩に連れ出していると、これまで散歩したことなど殆どなかったのではないかと感じることが、度々あります。
飛び回る虫や小鳥を、懸命に追おうとしたり、
匂いを嗅いで道端の草むらや、クマザサの奥深く分け入ろうとしたり、
見るもの匂うもの全てが珍しく感じるのか、まるで仔犬のように、好奇心の塊になっている様子!
保健所でケージから出されてきた時に、そんな仕草が愛らしくって、夫婦ともに一目惚れしたのですが、
その時は、「可愛がられていたのだろうな!」と思ったものでしたが、
よもやそんな境遇に由来するなどとは、考えすらしませんでした。、
それに、「お座り!」「待て!」に全く反応しないばかりか、
普段の生活でも「お座り」の姿勢をとったことがなく、
立っているか、伏せるか寝そべるか…なのです。
「狭くて背の低いケージで飼われていたために、物理的に「お座り」の姿勢をとれなかったのだろう」とは、妻の推測なのですが…。
サクラのこれまでの境遇が、何となく見えてきたような気がします…。