犬の里親日記(2)

ー我家に来た日のサクラー

2012.5.9


柴犬のサクラは、もう1匹の柴犬の雌と一緒にいるところを保護されたということだけが、分かっています…。

ただ、それまではどんな生活を送ってきたのか、何も分からないままに引き取ってきたものですから、

当初は、半室内犬としての生活に馴染んでいる先住犬ソラとの相性を心配して、

場所の離れた、玄関すぐ横の物置(半年前までソラが寝場所にしていた所)を中心に、生活を始めさせようと考えていました…。


帰宅後、早速考えていた場所に繋いではみたのですが、「中に入れと欲しい!」とばかりに、玄関の扉を前足でガリガリと掻いたり、

静かになったので、そっと様子を観ると、

物置に入ることもなく、扉の方向を向いてちょこんと座ったままで、中をうかがいながら「ク〜ン、ク〜ン」と切ない声で鳴いています。

余りに可哀想になって玄関に入れてやると、多少は落ち着いたのか、床に敷いたカーペットの上で、しばらくは静かにしています。

ブリーダーの狭いケージの中でか、それとも一般家庭でかは判りませんが、どうやら室内で飼われていた様子…。

引き取った初日から、早くも当初のプランは大きく狂い、早々に室内犬ヴァージョンに…!


でも、一緒に保護された犬が恋しいのか、はたまた元の飼い主が恋しいのか、

しばらくすると「ク〜ン、ク〜ン」と鳴き始め、玄関をうろうろして落ち着かない様子。

散歩に連れ出すと、見知らぬ土地の匂いを嗅ぎながら、リードを引っ張って、一目散に進んで行きます…。

一緒にさまよっていた仲間の犬を、或いは元飼い主を、懸命に探しているのでしょうね…。

(ちなみに、サクラと同時に保護された子は、先に里親が決まって、無事に引き取られています)。

うっかりとしてリードが離れようものなら、還暦を過ぎた私では、とても追いかけることはできないでしょうから、再び放浪することになりかねず、要注意です!


先住犬ソラの場合は、何日か何十日かは判りませんが、

明らかに食べ物を求めて、我家近辺の山中や畑の辺りを彷徨っていたらしく、

先代の柴犬を散歩させていた時に、離れずについてきたため、

とりあえず、水とドッグフードを与えると、そのまま我家を離れようとはしません。

すぐに保健所・町役場・警察に届けて、我家で保護しながら、飼い主からの連絡を待ちましたが、いつまで経っても連絡がなく、

そのうち情が湧いてきて、結局我家の飼い犬に!

ですから、ソラのリードが万が一外れても、すぐに戻ってくるでしょう。

(現に、雷鳴や屋根からの落雪に驚いて、リードを付けたまま飛び出し、何時間か後には、しっぽを垂ながら戻ってきました)

しかしサクラの場合は、離れたら最後、戻ってくる保証は、今のところ皆無に近いと思われます。


それでも、昼間は一向に落ち着くことができなかったこの子も、

夜になると疲れてしまったのか、とにかく玄関からは物音もせず、静かなもの…。

様子をうかがいに行って、目を覚まされて騒がれると一騒動なので、そのまま放置したまま、我々も眠りに就きました…!