放 浪 記 (132)

昔のアンプを修理しました

2014.2.3


先週、長年故障のために放置していたイギリス製の真空管プリ・メインアンプの修理が完了し、

週末は修理の成果の確認に追われていました。


8〜9年前のことですが、スピーカーから唸りが生じ始め、すぐに修理に出そうとしたのですが、

輸入業者が廃業したのか連絡が付かず、修理先が見つかりません。

オーディオ誌の特集「世界のブランド」を探しても、メーカー名すら見当たらず、

結局修理を諦めて、そのまま部屋の片隅で埃をかぶったままになっていました。

それが、昨年暮れに、たまたまネットでこのメーカー名を発見!

ただ、輸入代理店が購入時とは異なっていた上に、当該製品も既にカタログに残っていないために、修理の可否は覚束なかったのですが、

それでも、一縷の望みを抱いて、メールで問い合わせてみたところ、

「ご迷惑をおかけしました…」というお詫びと共に、「修理可能」の返事が届きました…。


早速埃まみれになっていた機器を発送、

部品をイギリスから取り寄せるために時間を要しましたが(その間に2度、修理が遅れる旨のお詫びの電話がありました)、先週漸く完了したという次第。


音出しは、嘗てこのアンプを使っていた頃に愛聴していた、E.レオンスカヤのピアノによるショパンの「幻想ポロネーズ」。

しかし意に反して、静寂な空間に漂うはずの余韻が全く感じられず、かつ潤いのない硬質な響きに、ガックリ!

G.ヘッツェル率いるウィーン室内合奏団のモーツァルトのディヴェルティメントK.334も、心地好い爽やかな推進力が、微塵も感じられませんでした、等々…。

この時は、修理に出したことを心底後悔したのですが…。


翌日、通電後15分程経過してから、A.ヒューイットの演奏によるバッハの平均律を聴き始めたところ、

前日とは打って変わって、イタリアの名器ファツィオーリの繊細で柔らかな音色が、心地良く空間に漂います。

音に惚れぼれしながら、ついついCD1枚分(第1巻の第1~12曲)を、通して聴いてしまいました。

昨日は、長年放置されていた恨みからご機嫌斜めだったようですが、

積年の恨みを払拭して、再び私の心を和ませてくれそうな予感がします。

当面は、このアンプを通して室内楽曲・器楽曲のジャンルを聴いていくつもりです。