放 浪 記 (130)

同窓会近況報告集

2013.12.31


早いもので、今日はもう大晦日…。

昨年の9、11月に白内障の手術を受け、矯正視力で1.5の視界が確保できるようになったおかげだと思いますが、

近年になく気持ちが前向きになって、色んな活動に積極的に取り組むことができた一年でした。


10日ほど前に降り積もった雪は、下の畑地では殆ど消えましたが、

山陰にある我家の周囲は、路面がアイスバーンになっていて滑り易く、極めて危険な状態。

転倒事故を避けるために、愛犬たちの午後の散歩も、日が高く、視界が良好なうちにさっさと済ませて、

ほぼ半年ぶりに机の上を片付けていると、今年の10月に出席した高校の同窓会の「近況報告集」という冊子を発見しました!


e-mailや返信用はがきで送られてきた出欠の返事の全てを、そのまま掲載したこの小冊子!

代表幹事のO君、このために大変な時間と労力と、それにお金も(多分、自腹を切ったのでしょう)要しただろうと思われる力作です。

にもかかわらず、帰りの新幹線の中で、老眼鏡を持っていかなかったために細かい字が読めないままに、パラパラと目を通しただけ…。

請われて、まだまだ現役で働いている…

親の介護で、思うように自由な時間が取れない…

孫が○人いて、ジジ(ババ)業に忙しい…

趣味を生かして○○に取り組んでいます…etc.

中には、ご家族からの訃報を知らせる内容もあり、驚いたりもしましたが、60歳代半ばともなれば、やむを得ないことと半ば合点しつつ、

帰宅後は、雑多なコピーや雑誌が乱雑に置かれた机の上で、埋もれたままになっていました。


その冊子を見た途端に、老眼で字が鮮明に見えなかったために読み取れず、意味不明のままの気になる文章があったことを思い出して…。

老眼鏡を取り出し、あらためて最初から読み始めましたが、気になっていた文章は、すぐに見つかりました…。


二年生の時の文化祭で、クラスで発表した歌劇「赤い蝋燭と人魚」のピアノ伴奏を引き受けてくれた女性からの返信ハガキには、

「数々の理由があり、もう出席できないと思います。ハガキももったいないですので、今後連絡は辞退させて下さい」

そのようなメッセージが記されていました。

彼女の人生に、一体何が起きたのでしょうか?


5年前の還暦時の同窓会で、「退職を機会に、世界各国を周遊したい」と、にこやかに夢を語っていた中学教諭からの返信ハガキには、

「第二の人生を楽しもうと思っていた矢先に、肺癌と診断されて手術を受けました。

術後の経過が良く、ようやく心が安定したのも束の間、

今度は母が脳梗塞で倒れ、飲食がままならない状態で、介護に明け暮れる毎日です」

同窓会で話をした半年後に肺癌の宣告を受け、手術に踏み切ったようです。

三年後の卒業50年の記念同窓会には、是非元気な姿を見せてほしいものだと、切望しています。


数多くの同級生たちのメッセージの中には、「事実は小説よりも…」と思われるものが散見され、

年末のこの時期になって、何とも複雑な心境に陥っています。

「同窓会とは、今の自分の境遇に自信が持てる人のための集まり」

そういった側面は有していることは、確かですし、

正直申し上げて、それが鼻に付く人も入るのですが、

その一方では、人生での思いがけない苦難に出遭い、それを克服しつつある旧友と再会しうる場でもあります。

自分のことばかり喋るだけでなく、今様々に思い悩んでいる人たちが出席したことを心から喜べる、

自分もそんな気遣いができるように歳を取っていきたいと、心から思った大晦日でした。