放 浪 記 (115)

衆議院議員総選挙雑感

2012.12.17


衆議院議員総選挙は、自民党の完勝というよりも、民主党の惨敗に終わりました。

当選した自民党の面々も、「自民党を信頼してというよりも、多数派与党となりながらも政策の決断が出来なかった民主党への批判票が、我が党に回っただけ」と、殊勝な勝利の弁を述べておられますが、全くその通り!

今のお気持を決して忘れることなく、3年3ヶ月間の下野で学んだとおっしゃる教訓を生かして、

過ちを繰り返すことなく、国政のために励んでいただきたいと願うばかりです。


国会議員の選挙において、「党を選ぶか、人を選ぶか」がよく問題になります。

ここ20数年来、個人の力量も大切だと思っていましたが、

大物候補者がいない選挙区に住んでいたこともあり、党の政策を最優先して投票していたのですが、

今回の選挙に至るまでの民主党の内紛を見聞きして、もっともっと個人の資質を考慮しなければならないと、考えざるを得なくなりました。


3年前の総選挙時、当時の民主党の選挙参謀小沢一郎氏が選んだ、幅広い支持層を獲得するために寄せ集めたとしか思えないような候補者名簿を見て、

そのフィロソフィーの希薄さに一抹の不安を感じながらも、チェンジを期待して民主党に投票しました。


政権与党となって1年少しが経過した時に、未曾有の大震災とそれに伴なった原発からの放射能漏れに見舞われ、

対応の遅れや稚拙さが非難を浴びましたし、

現に今も尚、多くの被災者の方々が先の見えない生活を送っておられることも事実です。

外交問題でも、野田さんの対応には危うさを感じずにはいられないのですが…。


政権与党としての対応を見直すべく、これからが本当の正念場という時期に至って、党への造反議員が続出。

政党としての基盤の脆弱さに危機感を抱いた党執行部は、

選挙時の党公認の条件として、党が決めた公約に造反しないとの念書を入れるという、前代未聞の苦渋の決断を実行!


党幹部を疑心暗鬼に陥らせるようになった最大の原因は、

つまるところ、国会議員としての資質には重きを置かず、

選挙受けするような幅広い人材をノミネートした小沢氏の選択の甘さにあると思います。

結局彼らは、一様に消費税率アップ反対・原発廃止を唱え、

小沢氏と行動を共にするしか選択肢がないかのように、何ら具体的提案をすることもなく党を去りました。

そして、小沢氏と責任を共有すべき当時の党首であった鳩山由紀夫氏は、

周囲から引き止めて欲しげに、未練がましい発言を残して、国会議員の職を去りました。

そんなマイナス面はあっても、自民党政権が継続していれば決して実現しなかったであろう、既得権益にあぐらをかいていた官民の構造があぶり出されてきました。

多くの不満点はあるものの、与党となり、政権公約を実現すべく為のハードルの高さを実感した民主党に、今一度公約実現を目指して挑戦してほしいと願って、

私は今回も小選挙区・比例ともに民主党に投票したのです…。


民主党の衆議院議員数は大幅に減少しましたが、ここは逆風にさらされて生き残った精鋭集団としていち早く立ち直り、第2党としての活躍を期待したいと思います!