放 浪 記 (110)

国際オーボエコンクールin軽井沢

2012.10.2


9月30日から、軽井沢で国際オーボエコンクールが開催されています。

2日間の予選が終わり、18人が明日から3日間に渡って行われる第2次予選に…。

中でもピアノ伴奏による協奏曲の演奏は、ちょっとした聴きものです!

課題曲としてR.シュトラウス、マルチヌー、ミヨー、ラハナー、ヴォーン=ウィリアムズの協奏曲から1曲を選択するのですが、

マルチヌー、ミヨー、ラハナーの未聴の曲が生で聴けるのも楽しみの一つ!

中でも、R.シュトラウスの「オーボエ協奏曲」は、私の好きな曲であり、

出場者それぞれの異なった解釈が聴けという楽しみもあって、

時間が許す範囲で全て聴き比べたいと、今から楽しみにしています…。


今日は予習も含めて、R.シュトラウスの作品を、二種類のCDで聴きました。

一つは、ジョン・ド・ランシーというアメリカ人のオーボエ奏者と、マックス・ウィルコックス指揮する室内管弦楽団の演奏。

このランシーという人は、フィラデルフィア管弦楽団の首席だった1945年当時、

従軍中に赴いていたドイツで、80歳になるR.シュトラウスを訪ね、オーボエ協奏曲の作曲を依頼して快諾させた張本人だとか!

にも拘らず、従軍中ゆえに、世界初演はもとより、アメリカ初演すらできなかったとか(ライナーには、作曲者とのツーショットが掲載されているのに…)、

幸いにも、42年の時空を経た1987年に録音された演奏が残されました。

実を言うと、話題性だけで全く期待せずに聴き始めたのですが、これが以外にも感動的な名演!

モーツァルトを研究していたというR.シュトラウスの古典的且つ真摯で瑞々しい作風に、晩年の諦観が映しだされた見事な演奏です!


もう一つが、このコンクールの審査委員長のシュレンベルガーのソロと、J.レヴァイン指揮するベルリン・フィルの演奏。

切れ味が鋭く、且つ歌心に満ちた瑞々しい演奏に、

「こんな解釈もありか」と、興味深く、集中して聴くことができました。


その他、R.コッホとカラヤン/ベルリン・フィルの定評高い名演や、

木管楽器のやりとりの味わいに長けた、M.ガブリエルとプレヴィン/ウィーン・フィル盤等など…!


予算の関係上、ピアノ伴奏で行われるために、管弦楽版とは趣は異なるのでしょうが、

18人の第1次予選通過者がどんな演奏が繰り広げるのか、楽しみです