放 浪 記 (96)

最近の朝ドラ

2012.4.10 


「ああ、私も麻生祐未や南果歩のようなお母さん役じゃなくて、夏木マリや倍賞美津子のようなおばあさん役の年齢になってきたんやなぁ!」

今年還暦を迎える妻が、NHKの朝ドラを見ながら、溜め息を吐いています…。

「お前、そんなにエエ女かいな…?」と、思わず突っ込みを入れたくなったのですが、辛うじてその一言を腹の中に収めて…。


それはさて置いて、「ゲゲゲの女房」以来、NHKの朝ドラの人気が復活しているようですね。

「バブルがはじけた!」と言われて20年近く、

ひんしゅくを買いながらも、相も変わらぬバラィエティ番組が全盛を極めていたようですが(10年間、地上波放送を見ていなかったもので…)、

昨年度の「おひさま」、「カーネーション」、そして今回の「梅ちゃん先生」と、

単なる偶然か、或いは柳の下のどじょうを狙ったものなのかは知りませんが、

戦時中、或いは敗戦後の瓦礫の中から復興していく、そんな時代の人々を描いたドラマが続きます…。


私自身は1948年の生まれで、ドラマに描かれているような苦労は、全く体験していません。

父が勤めていた会社がつぶれて、一時期収入が途絶えたらしく、

子供の頃の朝食と言えば、ご飯の上に削り鰹を乗せて醤油をかけただけ。

朝に卵かけご飯が食べられたのは、年に2回、

春と秋の運動会の朝だけでした!

それも、鶏のように速く走れるからと、滋養をつける目的で…。


それでも、母の実家が農家でしたので、ひもじい思いをした記憶はなく、

毎朝満腹になるまで、茶碗に4〜5杯は食べていたと記憶しています。

ドラマで描かれていたような苦労をした記憶がない私ですが、

だからこそかもしれませんが、妻も私も物の無い時代のドラマにノスタルジーを感じながら、習慣的に朝ドラを見る日々が続いています。

「あぁ、昔はあったかい雰囲気で、ええなぁ!」と、呟く妻に、

「今を愚痴らずに、もっと前向きに…」と、思わず口をつきそうになりましたが…。

結婚生活35年、私も、随分賢くなりました!