放 浪 記 (87)

懐かしいアングル

2012.1.31 


昨日、あるTVドラマを観ていると、賀茂川の堤防から東山方面を眺望する映像が映し出されたのですが、

その画像に映し出された手前の街並みが目に飛び込んできた瞬間、言いしれぬ懐かしさを覚えました。


私は予備校時代も含めると5年間、自宅通学をしながら、京都で学生生活を送っていました。

神社・仏閣に格別な興味があったわけではありませんが、

京都の雰囲気を楽しむためというか…、

異性との心ときめく出会いを期待してというか…、

授業やクラブ活動の合間を縫って、市内にあるほとんどの名所・旧跡を、あてもなく散策したものでした。

中でも大覚寺周辺の嵯峨野の竹林や、

賀茂川(※鴨川は、出町柳の高野川との合流点から下流の名称です)に沿った植物園辺りは、

その雰囲気が好きで、しばしば出かけましたが、

その度に、「いつか二人で!」と夢見ながら、

結局は、いつも一人で歩いていたという、

唯一満たされなかった学生生活を思い出す、そんな場所でもあります。


「いやー、懐かしいな!」と思わず漏らした私の声を聞いて、

「又、(妄想が)始まった!」と言わんばかりに、

「誰かさんとデートした場所でも、映ってるんか」と妻…。


毎年暮れの「全国高校駅伝」や、正月明けの「都道府県対抗女子駅伝」で、

嘗て散々見慣れた筈の沿道風景が映しだされても、何とも思わないのに…。

昔、賀茂川堤防から何気なく眺めていた私の視線と、

映像のカメラアングルとが、たまたま合致したのでしょうか?

お蔭で、忘れていた記憶が呼び覚まされ、しばし学生時代を懐かしんでいました!