放 浪 記 (80)

最 近 の 若 者 !

2011.11.30 


加齢に伴う、老化現象なのでしょう…。

「今度会った時には、このことだけは伝えておきたい」と思う方に、いざ出会って話をしても、

とっさに思考の回線が繋がらずに、散々差し障りのない話をした挙句、

結局肝心な要件には触れることなく、後で後悔することがしばしばあります。

先日も、ご近所(とは言っても、1kmほど離れていますが)の方から立派な柿を頂戴し、「お会した時には、鄭重にお礼を!」と心にかけていたのですが、

散歩中、その方と偶然出会った時には、お礼のことなど全く頭に浮かんでこずに、差し障りのない時候の挨拶を交わしただけ。

別れてしばらく経ってから、「しまった!」と後悔する始末。

改めてお礼に出向くのも大げさですし…、

かと言って、時間が経過してお礼を言うのも、間の抜けた話ですし…

結局、うやむやなままに時効が…。

最近夫婦ともに、「頭が働かなくなった。若い頃には、こんなことなかったのになぁ」とぼやく機会が、めっきり増えてきました。


先日、兼業農家をしている母の実家から、自家栽培の野菜・果物・米が宅急便で届きました。

母が自宅で転んで骨折し、入院・手術をしたのですが、

その時に顔を出して励ましてくれた従妹に、お礼の気持ちとしてリンゴを送ったのですが、

どうやらそれに対する、お礼返しのようです。


早速、従妹にお礼の電話を入れたのですが、あいにく不在で、

電話に出たのが、一度も会ったことのない、つい最近まで存在すら知らなかった娘さん。

「懐かしい物を送っていただいてありがとう。お母さんによろしくお伝えください」

見知らぬ親戚のオッサンからの突然の電話に、少々面喰った様子でしが、

「こちらこそ、美味しいリンゴを頂戴してありがとうございました。みんなで喜んで頂いています」と、思いがけなくも、温かい心配りに溢れた返事が…。

最近のマスコミ報道で見聞きする若者のイメージから、「お母さんによろしく…」と行った時には、「分かりました」という返事しか期待していなかったのです…。


田舎暮らしを初めて10年目に入りましたが、こんなに気の利いた応対をしてもらえたのは、こちらに来て初めてかもしれません。

妻にこのことを話すと、

「私らみたいに、若い人と話す機会がなかったら、頭が回らんようになる一方やなぁ!今の若い子らは、非常識やと決めつけてしまうけど、逆に私らの方が非常識になってるのかもね…」


確かに!

ジェネレーション・ギャップを恐れるあまり、これまでは同世代の人々としか接することがなかったのですが、

人間らしい新鮮な感動を得るには、

若い人にも、もっと積極的に接していくべきかもしれませんね!