近づいてみると、左側のスピーカーから音が出ていません。
ケーブル、CDプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプ、そしてスピーカーと消去法で点検した結果、
原因は15年前に購入し、とっくの昔に発売中止になっているCDプレーヤーの故障らしきことが判明。
年金と貯金を取り崩しながら生活している昨今、同じようなグレードの機器を新たに買うことなど、とてもできません。
半ば諦めながらも、修理への僅かな望みを託して、買った大阪のオーディオ販売店に連絡を入れました。
電話応対してくださったのが、大阪在住中にお世話になった旧知の店員のKさん。
この店は、関西では名の知れた高級オーディオ専門店。当時の私には敷居が高く思えたのですが、アフターサーヴィス期限が終わったことを理由に、修理を断られたアンプの代替品を求めて初めて訪れた時、相談に乗ってくれた人でした。
「気に入ったアンプだったんですが…」と思い入れを話すと、
私の目の前でメーカーに電話を入れて、「お客さんが愛着を持たれている機器を、診もせずに修理を断るようなメーカーの製品を薦めることはできない!」と抗議し、修理を了解させて下さったのです。
それがご縁となって、長野県に引越すまでは、オーディオ関連の買い物は他の店へ浮気することなく、どんな些細なものでも全てこの店で購入しました。
ちなみにこの時修理してもらったプリメインアンプ、それから15年経過した今も故障知らずで、現役で活躍してくれています。
「STUDER/REVOX関係は、昨年いっぱいでアフターサーヴィスが終わってしまったんですよ。ただ、止めてから未だ日が浅いし、もしかしたら受け付けてくれるかもしれないので、連絡してみます」。
それから10分も経たないうちに「修理OK」の電話が…。
多分15年前と同様、輸入代理店に対して、強く交渉して下さったのでしょう。
「この際ですから、総点検して、へたっている(劣化している)部品も交換しておくように言っておきましょうか!そうすれば、まだまだ使えますよ!」
勿論、依存があろうはずはありません!
Kさんの迅速で誠実な対応ぶりに大感激した私は、
この際とばかりに、外装のひび割れや、音質の劣化が目立ち始めたケーブルの買い替えを検討、
結局は修理代より高くついてしまいましたが、プレーヤーは見事に蘇りました。
買い換えるよりはうんと安くついたのだから、妻も(多分)大目に見てくれると思います。