放 浪 記 (70)

年寄りの思い込み

2010.10.28 


今日、以前住んでいた大阪府茨木市のご近所の方から、思いがけずお便りを頂戴しました。

別に日本郵政の肩を持つつもりはありませんが、大概の事がe-mailで済まされてしまうご時世、長らくごぶさたしていた方が手間暇かけてお書き下さったことに、嬉しさと格別な懐かしさが感じられました。


早速お返事を書こうとしたのですが、妻専用の絵ハガキしか見当たりません。

そういえばここ数年、手紙やハガキを書いた記憶もないし…。

せわしなさと味気なさを感じつつも、簡便さにかまけて、私もe-mailで事を済ませていたのですね。


最近はコンビニでもハガキを売っていると聞き、早速出かけました。

こちらとしては、絵ハガキなどと混同されないようにとの配慮から、判り易く「官製ハガキをください」と言ったつもりだったのですが…

若い店員さん、怪訝そうな顔をして「ちょっとお待ちください」。

レジの奥で「カンセイハガキって、売ってるんですか」「普通の郵便ハガキのことだよ。レジ横の引き出しに入ってるだろう!」とのやり取りが聞こえてきます…。

戻ってきた若い店員さん、引き出しを捜しつつ、「申し訳ございませんが、売り切れているようです」。

結局は全く方向の違う、遠くのコンビニまで出かけて漸く入手したのですが…。


私は、官製ハガキの何たるかを知らない店員さんの知識のなさと、商品の在庫管理が徹底されていない不手際に腹を立て、帰宅後妻に同意を求めるような口調で、そのことを話すと…。

「今は民営よ!官製ハガキなんて言葉、いまどき死語。私でも、エッと思うわ!」と、予想もしなかったキツーイお言葉が…。

言われてみればもっともな話で、非は一方的に私にあるのです。

考えてみれば、ハガキを買ったコンビニの店員さんも、一瞬怪訝そうな顔をされ、ハガキを取り出して「これでよろしいんですね!」と念を押されていたことに、遅まきながら気付きました。

年寄りの思い込み!自分にはまだまだ縁のないものと思っていたのですが、着実に加齢は進んでいるようです…。


(追記) 最新の国語辞典によると、

『官製葉書:郵政官署が発行していた郵便葉書の名称。郵政事業が日本郵政公社に承継された平成15年(2003)以降は「官製」ではなくなった』

以上のように記されています!