放 浪 記 (68)

私的音楽ホールの柿落とし

2010.10.4 


二週間前のことですが、地元の情報誌に掲載された「群馬交響楽団メンバーによるベートーヴェンの弦楽四重奏曲演奏にご招待」という見出しが目に入りました。

クラッシック音楽好きのご夫妻が、自宅の敷地内に音楽専用のホールを建て、

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏会を自ら企画・プロモートして、

聴衆30名様を無料でご招待する…

そういった内容が記載されていました!


10月2日に、第4・9・11番というプログラムで柿落としされるということなので、直ぐに電話して申し込みましたが、既に定員数をオーバー。

キャンセル待ちとのことで半ば諦めていたのですが、

数日後、席数を増やしていただける旨の連絡を頂戴しましたので、喜んで参加させていただきました。


当日、ご夫妻は招待客とのごあいさつ等でお忙しく、殆どお話しする時間は有りませんでしたが、上品なお話しぶりや立ち居振る舞いから推して、

お仕事で立派な業績を収められた後の人生を、

ご自分達が共感される音楽をより多くの方に紹介することと、そのことによる新たな出会いを求めて、

作曲家と演奏家と聴き手が一体となれる場を設けられたのではないかと拝察しました…。

そして当日の演奏会は、ご夫妻の望まれたように作曲家・演奏家・聴衆の熱気が三位一体となった、素晴らしいものでした。


コンサートを企画・プロモートするだけでも大変なエネルギーを要すると思うのですが、

ご夫妻の場合はホールを建立することから計画を開始され、

当日演奏された群響のメンバーの話から察するに、このホールで演奏するために、新たに弦楽四重奏団を結成すべく尽力されたようです!

そして私のような凡人には思いもよらないことなのですが、これだけの準備を整えつつも、営利的な意図は皆無なご様子…!

そのために、今後の予定をつい聞きそびれてしまったのですが、

ご夫妻の熱意にインスパイアされたせいか、結成されたばかりのこのカルテットの成長を、末長く見守りたいなぁとは思いました。