表示されない時には、案の定スピカーから音が出ません。
危機感を抱いてメーカーのホームページを見ると、修理不可能となっています!
このモデルが製造を終了してから既に9年近くが経過しており、スコットランドの本社からの部品供給も、底をついたようです。
このプリアンプ、最初は室内楽を聴くために購入したものでしたが、
4年前にCDプレーヤーが故障した際に、試しにオーケストラを聴くためのスピーカーと繋いでみたところ、
多くの曲で音楽の佇まいが格段に向上したために、そのまま使い続けてきました。
仮に高級な機器へとグレードアップして、音質等が格段に向上したとしても、多かれ少なかれ失うものもあることは、オーディオ好きな方なら、必ず体験されている筈!
いわんやこの場合は、価格的にはグレードが下回るプリへと繋ぎ換えたのですから…。
それまで体験してきた、マーラーの交響曲第6番終楽章のハンマーの一撃にしびれることもなくなりましたし、
ベルリオーズの幻想交響曲終楽章コーダ部の大地を揺るがすような大太鼓の強打に圧倒されることもなくなりましたし、
リストの超絶技巧練習曲第12番の、突風に舞い上がる地吹雪を想わせる超絶的なピアノの迫力に酔うこともできません…。
それでもこのアンプに変えてからは、弦楽器の表情が多彩かつ繊細に表現されるようになり、
お蔭で好きになった曲が随分増えました。
あらためて味わい直したいディスクも、何百曲と残っています。
半ば諦めながら、日本に在るテクニカルサポート部門に電話を入れたところ、「修理可能か否かを判断したいので、とりあえず送ってください」とのこと。
翌日、宅急便で送付したのですが、故障が発生してからは気もそぞろで、
修理不能という最悪の場合を考えて、手持ちのアンプを色々と繋ぎ換えて音出しをしたのですが、どうあがこうとも満足できる音が出てきません。
このアンプの醸し出す品位の高い佇まいに、よほど惚れてしまったのだと思います…。
年金生活者にとっては、今更より良い音を求めて高額な出費はできませんし、暗澹たる思いだったのですが…。
今日、この会社から修理可能との連絡があり、漸く心が安らかになりました!
でも我家のオーディオのモデルは、会社自体が廃業に追い込まれたアンプを始めとして、すでに製造中止となったものばかり。
頭の痛い話です!