放 浪 記 (57)

樅の樹は残った

2010.4.16 


寒いです!4月も半ばになろうというのに、昨日は日中雪がちらつきました。

当地の気象予報では、今日も最低気温が-2℃、最高気温が1℃、午後には雪模様だとか…。

日ごとに日の出が早くなり、陽射しが強くなるのを感じて、「春の到来間近!」と心をときめかせていたのが1月の中頃でしたから、あれから3ヶ月が経過しているのに、まだまだ冬の名残が…。

それに、今年は一雨ごとに春の兆しが感じられるということがなかったですね。

ある日突然初夏のような気候になったかと思えば、翌日には真冬に逆戻りとか…。

「春眠暁を覚えず」のごとく、布団の中で怠惰を貪れるような心地良い体験もなかったし…、やはり異常気象なのでしょうか。


当地に住んで9年目に入りますが、氷結という自然現象の恐ろしさを、初めて体験しました。

3月10日に、これまで風速40mを超える強風にも耐えてきた鎌倉の鶴岡八幡宮の大銀杏が、雨混じりの雪が枝に氷結した重みのために20m程度の強風に耐えらず、根元から折れてしまったというニュースが報道されましたが…。

当地でも、3月末の雨と雪によって、同じように枝に氷結した重みのために、あちこちで直径20〜30cmの枝が折れてぶら下がっています。

こんな枝1本でも、重量にすると約100kgはあるそうですが、

それだけではなくって、この季節には霜柱が溶け始めて木々の根元の地面も軟弱になっているために、

樅や赤松など根っこが広く浅く張る樹木などは、耐えられなくなって、けっこうの数の大樹が倒れたそうです。


我家と隣の土地(落葉松の山林です)との境界にも、高さ25m、幹の太さが直径1mくらいの樅の樹があり、今回直径20cmほどの枝が数本折れましたが、

周囲の被害状況を耳にするにつけ、この大樹が倒れて我家の屋根を直撃するのではないかという懸念が、現実的に思えてきました。

本音を言えば、安全のために切り倒してほしいくらいなのですが、自然保護の観点からも、そういうわけにはいきません。

そこで、万が一にも我が家を直撃しないように、地主さんに事情を話した上で、枝を伐採させていただきました。

これで、氷結や強風で万が一この樹が被害に遭ったとしても、枝の重みのある落葉松林の方向へ倒れるので、我が家は安心できるという次第(の筈)!

そしてこれを書き終えた17:30現在、雪がうっすらと積もり始めましたが、今宵は心穏やかに眠ることができそうです…。