放 浪 記 (30)

初めてのオペラDVD


ビゼー:歌劇『カルメン』
カルメン:E.オブラスツォワ  ドン・ホセ:P.ドミンゴ 他
C.クライバー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

2009.9.12 


先日、書店に立ち寄った際、妻が「カルメンのDVDが、創刊号特別価格の990円で売ってるねん。一度観たいと思ってたんやけど、買ってもいい?」

どうせ、出版社が人気のないDVDを、“○○シリーズ”と称して発売しているのだろうとは思いましたが、

つまらないことで妻を不機嫌にさせるのは得策ではないと考え、「990円やったら、外れても諦めがつくし、ええよ!」と、とりあえず快諾!

しかし、実物を手にとると、“クライバーの天才的指揮”という文字が目に入り、たちまち興味は最高潮に達しました!


「チケットが高過ぎる」「曲が長過ぎる」という理由がそもそもの発端で、筋書き自体にも興味が示せなかった私は、オペラの全曲を聴くことは、殆んどありませんでした。

『カルメン』も例外ではなく、オーケストラ好きな人なら誰もが注目するであろう、クライバーの全曲盤の存在すら、知らなかったほどです…。

帰宅すると、今年漸く導入したばかりのDVD機能内蔵の薄型テレビの前に座って、我家で買ったDVDソフト第1号を、早速観賞しました…。


<妻>
「カルメン役、ちょっと叔母さん過ぎへん?イメージと全然違う!」
「ミカエラ役は可愛いね。カルメンも、せめてこのくらいやないと…」等々!

<私>
「普通のTVで再生した曲って、音が薄っぺらーて、もう一つやな…」
「ライブ録音やから、熱気は伝わるけど、音の繊細さがな…」等々!

それぞれに、好き勝手なことを言いながら、観ていたのですが、

第2幕、酒場の場面で歌われる“ジプシーの歌”で、クライバーの本領が発揮されました。

ウィーン国立歌劇場のオケが指揮者にあおられて、どんどんとアップテンポに…。

それに従って歌唱もますますヒートアップして、場内は興奮の坩堝に巻き込まれていきました…

その熱気が、画面と音を通じて伝わってきて、2人とも興奮状態に…。


「良かった!オペラって、凄いやん!フィガロの結婚も、前から観たかったんやけど、次回からは1990円になるんやて。買うてもええか!」

「ああ、ええよ!薔薇の騎士も発売されるんやな。これ、実は前から観たいと思ってたんや!」

DVDソフトの安さと、クライバーの名演奏に感動して、オペラの魅力を垣間見ることができたのですが、

はたしてこのDVD鑑賞、我が家に定着するのでしょうか…。