都会で暮らしていた頃は、アルコール類が一切だめな妻は勿論、毎日の晩酌を欠かさない私も、甘いものには目がなく、
休日にはお気に入りの店に出かけたものですが、新しい製品を目にすると、つい余分に買ってしまったり…。
そのおかげで、私は一時期体重が100kgを超え、夜中に自分のいびきに驚いて、目を覚ましたことが何度もありました…。
妻の実家は、昔は京菓子を商っていましたので、そのおかげで感性が磨かれたのかも知れませんが(ただの食いしん坊との声も)、
店構えやパンフレットなどを観察して、直感的に良いお店を嗅ぎ分ける特技を身につけていたようです。
洋菓子では、芦屋のアンリ・シャルパンティエ、豊中のムッシュ・マキノ、帝塚山のポワール、神戸のフロインド・リーブなど…
和菓子では、帝塚山の福寿堂秀信、北新地の京富、大津の叶匠寿庵など…
今でこそ、有名店として広く世間に知られていますが、
当時は、まだそれほど評判にもなっていなかった店を探し出して、あれやこれやと批評しながら、グルメ気取りでいたものでした。
ところが、当地に移り住んでからは、「これは美味しい!」と思うお菓子に出遭ったことは、一度もありません。
しかし、いつの間にやら『郷に入れば郷に従え』の諺通り、
すっかり地元の食生活に溶け込んでしまった嘗てのグルメ夫婦は、それぞれに好物を見つけ出しました。
ここ5年来の夫婦共通のお気に入りが、地元O製菓の1個105円の豆大福。
それと、様々な変遷をたどりつつ、妻はM製菓のビスケット“マリー”、
私はYパンの“薄皮栗つぶあんパン”を、美味しく頂くようになりました…。
音楽に関しては、いつになっても平行線をたどったままですが、
食べ物に関しては、不思議にウマが合うようです!