最近聴いたCD

エルネスト・ブロッホ:
ヘブライ狂詩曲「シェロモ」  

M.マイスキー(チェロ)
レナード・バーンスタイン指揮  イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団


2014年12月14日の抜き打ち的に行われた衆議院選挙は、野党が論点を絞ることができず、まともな議論すらされないままに、なし崩し的に自民党の圧勝に終わりました。

我が国は今後、良からぬ方向に舵が切られていくように思えて、暗澹たる気分です。

選挙区で直に民意を汲んでこられたばかりの、心ある自民党議員諸氏!

野党に多くは期待できない現状で、頼れるのは貴方達しかおられません。

次回総選挙まで4年の猶予があるのですから、党を割ってでも、独走暴君にご進言をして下さらんことを!


選挙の翌日、怒りが収まらず、絶望的な気分のままに、

普段は陰鬱な印象ゆえに滅多に聴くことがない、スイス生まれのユダヤ人作曲家、エルネスト・ブロッホのヘブライ狂詩曲「シェロモ」を、CDトレイに載せました。


「シェロモ」とは、旧約聖書に書かれているイスラエルの王ソロモンのこと。

外国との交易を広げ、国の経済を発展させたそうですが、

その一方で、彼の野心的事業は、民衆に重税と多大な賦役を課し、

その挙句、自らは享楽に溺れ、生きること、冨、権力に疲れ果て…。

そんな王の姿を通してユダヤ人の民族的な感情を描いた、一大叙事詩と言われています。

独奏チェロがエキゾチックで陰鬱な旋律を奏でた後、

オーケストラが、神に捧げる舞を彷彿させる神秘的な雰囲気を醸します。

情熱的に高揚した後に訪れる静寂の中、クラリネットの呟きを独奏チェロが受け次ぐ部分には、甘美さが漂います…。


葛藤、慟哭、絶叫等、残虐な試練に見舞われた後に、独奏チェロによってしみじみと歌われる旋律には、諦観ともいえる悲しみが…。

そして、ユダヤの人々の果てしなき悲しみが歌い上げられるエンディング。


半ば自暴自棄な心境で聴いたせいかもしれませんが、

噴き上げるような情念に溢れた、ユダヤの血をひくバーンスタインとイスラエル・フィルの情念に啓発されたかのような、マイスキーの熱演が際立っているように感じました!

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