ノルウェー農民の間で伝えられた民族舞曲を基に、グリーグ38歳の1881年にピアノ連弾用に書かれた作品ですが、
後にボヘミア生まれの音楽家ハンス・ジットによって管弦楽用に編曲され、有名になりました。
尚、ノルウェーの民族舞曲の一般的な特徴は、
力を抜いて緩慢に開始され、次第に活気を帯びて速い動きになり、突然静まる、
このような形で繰り返されていくそうです…。
スウィトナー/SKBによる演奏は、LP時代に繰り返し聴いていたお気に入りでしたが、
久しぶりにCDで聴き直し、繊細緻密な解釈と心地よいリズム感が醸す北欧的情緒を好んでいたのか、と感じた次第です。
【第1曲:Allegro marcato】
活気に溢れつつも、どこか幻想的な雰囲気が漂う主部は、妖精が活発に飛び回る趣が…。
中間部は、メランコリーを含んだノスタルジックな音楽です。
【第2曲:Allegro tranqillo e grazioso】
ゆったりと歩むようなテンポで奏されるオーボエの旋律は、ちょっととぼけた味わいをもったもの。
中間部は、勇壮で活気にあふれたエネルギーの迸りが感じられます。
【第3曲:Allegro moderate alla marcia】
陽気で、弾むような舞曲が高潮していき、羽目を外してずっこけるような、愉悦間に溢れた主部。
中間部の穏やかさは、酔いつぶれてまどろみの世界へと誘われるような趣が…。
【第4曲:Allegro molto−Presto e con brio】
冒頭、柔らかい低弦が響く中に浮かび上がる木管の響きは、夜の静寂を照らす煌煌とした月明りや鳥の声を髣髴させますが、
すぐに、活気に満ちた推進力溢れる舞曲が展開されます。
中間部は、冒頭部で提示された深い抒情的雰囲気が、オーボエによって奏でられます。
音楽通の方からも、大変に高い評価を受けているこの演奏!
併録されている「十字軍の兵士シグール」「ホルベルグ組曲」共々、楽しめる演奏だと思います。