「気分がスカッとするような音楽を…」と思って、何と無く手にしたのが、エマーソンSQによるハイドンの弦楽四重奏曲7曲を収録したディスク。
その中からop.64-5を選んだのは、
今朝愛犬の散歩していた時、たまたま「ひばり」の囀りを耳にしたからという、他愛ない理由からでしたが、
これが、この日の鬱陶しい天候をふっ飛ばすような、晴朗で爽やかな曲であり、演奏でした!
【第1楽章:Allegro moderate】
2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが刻む伴奏の中、
1stヴァイオリンが奏でる、素朴ながらも大らかな喜悦に溢れた第1主題は、
天空高く舞い上がるかのように、伸びやかに且つ晴れやかなもの!
エマーソンSQの演奏を聴くと、
我がオーディオルームが、瞬時にオープンエアの爽やかな空気に満たされる思いがします!
【第2楽章:Adagio cantabile】
幸福感に包まれた、穏やかな黄昏時の訪れを感じさせる、第1主題。
ふと忍び寄るメランコリーな美しさは、うら若き乙女の恋心を思わせるよう…。
【第3楽章:Menuetto;Allegretto】
愉し気でおどけた表情を見せる、ウイットに富んだメヌエット。
やや深刻ぶったトリオ部との、対照の妙。
【第4楽章:Finale;Vivace】
若々しく爽やかなテンポで進められる主部。
中間部のフガート風の展開には、深刻な情熱の迸りが感じられて、聴き応え十分なフィナーレです!
エマーソンSQの磨き抜かれたクリスタルのような精緻な響きによって、この曲の瑞々しい美しさが際立った、
そんな印象を強く抱いた名演奏でした。