最近聴いたCD

ハイドン:弦楽四重奏曲第67番 op.64-5  

エマーソン弦楽四重奏団


昨日は、「五月末にして、早くも梅雨入り…?」と思えるような鬱陶しい一日。

「気分がスカッとするような音楽を…」と思って、何と無く手にしたのが、エマーソンSQによるハイドンの弦楽四重奏曲7曲を収録したディスク。

その中からop.64-5を選んだのは、

今朝愛犬の散歩していた時、たまたま「ひばり」の囀りを耳にしたからという、他愛ない理由からでしたが、

これが、この日の鬱陶しい天候をふっ飛ばすような、晴朗で爽やかな曲であり、演奏でした!


【第1楽章:Allegro moderate】

2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが刻む伴奏の中、

1stヴァイオリンが奏でる、素朴ながらも大らかな喜悦に溢れた第1主題は、

天空高く舞い上がるかのように、伸びやかに且つ晴れやかなもの!

エマーソンSQの演奏を聴くと、

我がオーディオルームが、瞬時にオープンエアの爽やかな空気に満たされる思いがします!


【第2楽章:Adagio cantabile】

幸福感に包まれた、穏やかな黄昏時の訪れを感じさせる、第1主題。

ふと忍び寄るメランコリーな美しさは、うら若き乙女の恋心を思わせるよう…。


【第3楽章:Menuetto;Allegretto】

愉し気でおどけた表情を見せる、ウイットに富んだメヌエット。

やや深刻ぶったトリオ部との、対照の妙。


【第4楽章:Finale;Vivace】

若々しく爽やかなテンポで進められる主部。

中間部のフガート風の展開には、深刻な情熱の迸りが感じられて、聴き応え十分なフィナーレです!


エマーソンSQの磨き抜かれたクリスタルのような精緻な響きによって、この曲の瑞々しい美しさが際立った、

そんな印象を強く抱いた名演奏でした。

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