最近聴いたCD

C.グノー:管楽器のための小交響曲  

C.ホグウッド指揮  セントポール室内管弦楽団


19世紀後半のフルートの名手タファネル(1844-1908)が創設した「管楽器室内楽協会」は、

その存在を世に知らしめるために、既に歌劇「ファウスト」の作曲家として有名だったグノーに、管楽器のための作品を依頼しました。

「小交響曲」と命名こそされていますが、

楽器編成は、フルート×1、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット×各2となっており、

実質は室内楽作品です。


エントリーするのは、ホグウッド指揮するセントポール室内管弦楽団の演奏。

グノーの交響曲という珍しさに惹かれて10数年前に買ったディスクですが、封を切った後はCD棚の片隅に置かれたまま…、今日初めて聴きました。


【第1楽章:Adagio−Allegro】

ホルンの持続音が、靄に包まれた早朝の情景を髣髴させる、Adagioの序奏部…。

主部は、愉悦感に溢れた田園舞曲が展開されます。


【第2楽章:Andante cantabile】

フルート協奏曲かと思わせるような、少し憂いを含んだ雅な旋律が印象的な楽章!

他の4つの管楽器は、恰も鳥が鳴き交わすように奏されて、静かな森の情景が描かれているようです…。


【第3楽章:Scherzo;Allegro moderate】

狩猟を思わせるホルンの力強い響きは、男たちの舞曲を…。

対照的に、中間部の愛らしい表情は、娘たちの踊りを表わすかのようです。


【第4楽章:Allegretto】

酒神バッカスに魅入られたかのように、ご機嫌な、時に調子外れに感じられる舞曲が展開される終楽章。


グノーという作曲家のイメージは、私には歌劇「ファウスト」の、メルヘンチックなバレー音楽しか浮かばないせいかもしれませんが、

この作品から物語性は感じられないものの、

バレー音楽を主軸とした、ストレスフリーに楽しめる作品と感じました。

ホームページへ