その存在を世に知らしめるために、既に歌劇「ファウスト」の作曲家として有名だったグノーに、管楽器のための作品を依頼しました。
「小交響曲」と命名こそされていますが、
楽器編成は、フルート×1、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット×各2となっており、
実質は室内楽作品です。
エントリーするのは、ホグウッド指揮するセントポール室内管弦楽団の演奏。
グノーの交響曲という珍しさに惹かれて10数年前に買ったディスクですが、封を切った後はCD棚の片隅に置かれたまま…、今日初めて聴きました。
【第1楽章:Adagio−Allegro】
ホルンの持続音が、靄に包まれた早朝の情景を髣髴させる、Adagioの序奏部…。
主部は、愉悦感に溢れた田園舞曲が展開されます。
【第2楽章:Andante cantabile】
フルート協奏曲かと思わせるような、少し憂いを含んだ雅な旋律が印象的な楽章!
他の4つの管楽器は、恰も鳥が鳴き交わすように奏されて、静かな森の情景が描かれているようです…。
【第3楽章:Scherzo;Allegro moderate】
狩猟を思わせるホルンの力強い響きは、男たちの舞曲を…。
対照的に、中間部の愛らしい表情は、娘たちの踊りを表わすかのようです。
【第4楽章:Allegretto】
酒神バッカスに魅入られたかのように、ご機嫌な、時に調子外れに感じられる舞曲が展開される終楽章。
グノーという作曲家のイメージは、私には歌劇「ファウスト」の、メルヘンチックなバレー音楽しか浮かばないせいかもしれませんが、
この作品から物語性は感じられないものの、
バレー音楽を主軸とした、ストレスフリーに楽しめる作品と感じました。