軽井沢の周辺道路は、おそらく大渋滞していることでしょうし、
近所のスーパーも、別荘族で大混雑していることでしょうから、
今日はどこへも出かけずに、家でゆっくりとバッハの器楽曲を楽しむことにしました。
その中で、最も心に浸み入ったのが、A.シフのピアノで聴いたフランス組曲第3番(1993年録音盤)!
6つの舞曲は全てロ短調で統一されており、どの曲も仄かな哀愁を湛えたものですが、
リズムの特徴もさることながら、それぞれに異なった音色で奏でられているために、
雅な魅力に富んだ、心洗われるような音楽として伝わってきます。
【第1曲:Allemande】
仄かな哀愁をたたえて流れるように奏でられる、清らかで美しい2声の旋律。
澄みきった音色の美しいさは、特筆ものです!
【第2曲:Courante】
とめどなく湧き出る泉が、陽の光を浴びて輝くように、
繊細な輝かしさで奏でられる舞曲!
【第3曲:Sarabande】
真珠のように、柔らかい光沢を帯びた音色で奏でられる、静謐で優雅な舞曲。
ほれぼれするような音色の美しさ!
【第4曲:Anglaise】
Anglaise=イギリス風の意味とか!
素朴で力強いリズムが、特徴的。
【第5曲:Menuet−Torio】
心が弾む軽快なメヌエット…。
トリオ部では、心の戸惑いが垣間見られます。
【第6曲:Gigue】
意気揚々と、飛び跳ねるように疾駆する、活発な終曲…。
優雅で親しみ易く、且つ瀟洒な佇まいを有したシフのピアノは、
チェンバロ演奏とは異なった、現代的な魅力を有した演奏だと思いました