最近聴いたCD

J.S.バッハ:フランス組曲第3番 ロ短調  

A.シフ(ピアノ)


大型連休後半の5月3日、

軽井沢の周辺道路は、おそらく大渋滞していることでしょうし、

近所のスーパーも、別荘族で大混雑していることでしょうから、

今日はどこへも出かけずに、家でゆっくりとバッハの器楽曲を楽しむことにしました。

その中で、最も心に浸み入ったのが、A.シフのピアノで聴いたフランス組曲第3番(1993年録音盤)!

6つの舞曲は全てロ短調で統一されており、どの曲も仄かな哀愁を湛えたものですが、

リズムの特徴もさることながら、それぞれに異なった音色で奏でられているために、

雅な魅力に富んだ、心洗われるような音楽として伝わってきます。


【第1曲:Allemande】

仄かな哀愁をたたえて流れるように奏でられる、清らかで美しい2声の旋律。

澄みきった音色の美しいさは、特筆ものです!


【第2曲:Courante】

とめどなく湧き出る泉が、陽の光を浴びて輝くように、

繊細な輝かしさで奏でられる舞曲!


【第3曲:Sarabande】

真珠のように、柔らかい光沢を帯びた音色で奏でられる、静謐で優雅な舞曲。

ほれぼれするような音色の美しさ!


【第4曲:Anglaise】

Anglaise=イギリス風の意味とか!

素朴で力強いリズムが、特徴的。


【第5曲:Menuet−Torio】

心が弾む軽快なメヌエット…。

トリオ部では、心の戸惑いが垣間見られます。


【第6曲:Gigue】

意気揚々と、飛び跳ねるように疾駆する、活発な終曲…。


優雅で親しみ易く、且つ瀟洒な佇まいを有したシフのピアノは、

チェンバロ演奏とは異なった、現代的な魅力を有した演奏だと思いました

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