盟友バルトークが、クーセヴィツキの依頼によって1943年に作曲した有名な同名作品の誕生に、何らかのインスピレーションを与えたと伝えられています。
作風はバルトークのような粗野な荒々しさはなく、洗練された中に穏やかな民族色とノスタルジーを漂わせたもの…。
ただ、作品誕生当時の現代作品としてのインパクトの強さと、内容の深さの点において、バルトークの同名作品には及ばないと思います…。
Wikipediaによると5つの楽章から構成されている作品ですが、
全5楽章は切れ目なく演奏され、楽章毎の性格分けは希薄と感じられます。
しかしながら、全曲を通じてハンガリーの民族や風土への深い愛情が滲み出た作品と感じられます。
ハンガリー生まれの指揮者A.ドラティによる、フィルハーモニア・フインガリカの演奏で聴きました…。
【第1楽章:Allegro risoluto 】
冒頭から、土俗的なハンガリー民謡を感じさせる旋律や日本の祭囃子を思わせるリズムが聴き取れ、華やかに盛り上がりますが、
どこか洗練されているように感じるのは、コダーイという作曲家の持つ味わいなのでしょうか。
【第2楽章:Largo】
ハンガリーの夜の田園の風情と、そこに住む人々の安らぎがしみじみと感じられる、幸福感に溢れた佳曲です!
【第3楽章:Tempo primo】
第1楽章と同様のテンポで、様々な旋律や舞曲のリズムが展開される、活気に溢れた音楽。
【第4楽章:Largo】
クラリネット、次いでオーボエ、そしてフルートがハンガリーの情緒を醸す中、ハープが月明りを髣髴させるように彩りを添え、再びハンガリーの夜の情緒が…。
爽やかで、美しい音楽です!
【第5楽章:Tempo primo】
「熊踊り」を思わせる土俗的な響きで開始され、一気に華やかに盛り上がって、曲は終わります。
随所にハンガリー情緒が聴き取れる、名作の名演奏だと思いました。