演奏会活動も頻繁に行われるようになってきました。
そのための作品が次々と書き上げられ、収拾がつかなくなったために、
自作品を整理するために作品目録を作成し始めましたが、その最初の作品がピアノ協奏曲第14番!
この年、ピアノ協奏曲は第14〜19番までの6曲が書き上げられましたが、
今日エントリーする第14番は、ピアノの教え子である貴族の娘ブロイヤー嬢のために作曲されたもので、いわば素人演奏家のための作品。
オーケストラも管楽器の使用は任意で、小規模なものとなっています。
今回はピリシュのピアノと、アバド/ウィーン・フィル(1992年盤)で聴きましたが、
それなりの内容は有するものの、「地味で小規模」という印象を抱いていたこの曲でしたが、
それが見事に払拭された、輝かしく素晴らしい演奏でした。
【第1楽章:Allegro vivace】
冒頭、管弦楽だけの比較的長い提示部が奏されますが、
ウィーン・フィルの演奏は、情熱の迸りの中にこれからの展開を期待させるワクワク感を覚え、まるでオペラの序曲を聴くような趣!
全てのフレーズが快活且つ優雅さを漂わせて息づくピリシュのピアノの、素晴らしいこと!
オケとかけ合いながら、めくるめく曲は展開されていくさまは、
とても素人演奏家のための作品とは思えない、素晴らしい演奏です!
【第2楽章:Andantino】
高貴で且つ慎ましやかな、美しいオケの表情。
凛として、気高い表現を保ったピリシュのピアノ。
神々しさを湛えた、極上の美の世界が展開されていきます!
【第3楽章:Allegro ma non troppo】
親しげで軽やかに展開していくオーケストラと、
同じテーマを次々に変奏していくピアノとの語らいは、
時に深刻な表情を覗かせつつ展開していきますが、
最後は、明るく快活に終了します。
この曲の新たな魅力を発見させてくれた、見事な演奏でした!