除雪されないままに放置されていた農道も、春先の強い陽射しで雪が溶けて所々地面が顔を出し、漸く散歩ができる状態に回復。
今朝も氷点下の気温ですが、まぶしいばかりの陽射しが温かく、
穏やかな自然の恵みが、じんわりと心に沁み入ってきます。
私にとってこんな気分にピッタリするのが、ブラームスの幾つかの曲なのですが、
その中からピアノ四重奏曲第2番を、ドームス四重奏団の演奏で!
アンサンブルもさることながら、個々の楽器の表情のつつましやかな美しさに魅力が感じられる演奏です。
【第1楽章:Allegro non troppo】
冒頭、特徴のある印象的なリズムでピアノが奏でる第1主題は、はにかむような、初々しいチャーミングな美しさ…。
表情を変えて何度も繰り返されるこの主題は、
時に芳しく匂い立つ花の香りのように、
時に今まさに飛び立たんとする雛鳥のように、
瑞々しい喜悦に溢れた音楽として展開されていきます。
【第2楽章:Poco adagio】
密やかな弦の息づかいに寄り添われるように奏でられるピアノの美しい響きは、
朝靄に覆われた草原に咲く一輪の花を見るような趣が…。
いったん深い靄の中へと沈み、再び微かな光が射し始めると…。
思いがけずも突然に訪れる、身震いするような大きな感動は、
ブラームスの室内楽作品中、最高の聴きどころのだと思います!
【第3楽章:Scherzo:Poco allegro】
爽やかで心地好い、仄かなぬくもりを感じるスケルツォ楽章。
前楽章での感動の余韻が漂います…。
【第4楽章:Allegro】
快活で、心躍るような民族舞曲風の終楽章。
やや冗長で、まとまりを感じにくいのですが、
様々なエピソード、例えばバグパイプ風の音色が聴き取れたりして、
溌剌とした、興味深いフィナーレではあります。
ドームス四重奏団の慎ましやかな演奏を聴きながら、穏やかな田園情緒にゆったりと身を浸すことができました。