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J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 

アルチュール・グリューミオ(ヴァイオリン)


ヴァイオリニストにとって屈指の難曲であると同時に、汲めども尽きぬ宝庫と崇められる「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」全6曲。

中でもこの曲は、4つの舞曲に加え、終曲に有名なシャコンヌを持つ、この曲集の頂点を成す傑作。

古今、有数のヴァイオリニストによるあまたのアプローチがあるのでしょうが、

私が聴いた範囲で最も親しみ易く、共感を覚えた演奏は、

メリハリがくっきりとしていて、且つ高貴な輝かしさに溢れたグリューミオ盤です!


【1.Allemanda】
格調高く、深々とした呼吸で歌われていくアルマンド!

【2.Courante】
天真爛漫、明るくのびのびと弾むようなクーラント!

【3.Sarabande】
荘重、且つ雅な趣を湛えた、敬虔なサラバンド!

【4.Gigue】
華麗に、絶妙に歌い交わされる、心弾む演奏!

【5.Chaconne】
静かに、感慨を込めて開始され、深々とした呼吸で変奏されていくグリューミオの演奏は、

各変奏ごとの表現が明確で、構成が透けて見えると同時に、自然な美しい流れとして心に深く浸透してきます。

二短調で始まり、中間部のニ長調を経て再び二短調に回帰する三部形式とも採れるこのシャコンヌの、

繋ぎとなる変奏部の、安らぎに満ちた高貴さは特筆もの!

強固な構築性を有しながらも、決して峻厳な精神性を表面に露呈しないグリューミオの演奏は、素晴らしいと思います。

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