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ワーグナー:森の囁き(「ジークフリート」より) 

O.クレンペラー指揮  フィルハーモニア管弦楽団  


今日は節分、明日は立春!

日中は暖房が必要ないほどに暖かく、

そのせいか、小鳥たちの囀りがかしまし一日でもありました。

そろそろ巣作りが始まるのでしょうか。


楽劇「ジークフリート」第2幕第2場で演奏される「森のささやき」は、比較的地味なこの楽劇の中では、最も有名な場面。

ジークフリートを出産した直後に息を引き取った母ジークリンデに代わって、地下に住む小人族のミーメに育てられたジークフリートは、出生の秘密を知らないままに成人しますが、

ある日、育ての親ミーメから出生の秘密を初めて明かされて、

独り森の中で亡き母を想い、まだ接したことのない異性への憧れに胸をときめかす、そういう場面の音楽です。


エントリーするのは、クレンペラー/フィルハーモニア管による管弦楽版。

ドイツの奥深い森に佇みつつ自然の息吹を感じさせる、幻想的且つ神秘的な雰囲気を漂わせた超一級の素晴らしい描写音楽なのですが、

クレンペラーの演奏では、それに加えて木管が奏する鳥たちの声は、今にも言葉を発しそうな、

言い換えれば、ジークフリートが今にも鳥の言葉を聴き取れそうな、

そんなワクワク感を抱かせる、愉しげな心が充満した音楽が展開されます。

クレンペラーの演奏は、希望に溢れた純粋で無垢な青年の心を表出しているようで、頭抜けて爽やかな印象を与えてくれました。

彼のワーグナーは(とは言っても、管弦楽曲のみしか聴いていませんが)、どれも一聴に値する素晴らしい演奏です!

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