「風雨が強まらないうちに買い物を!」と言う妻の要請で、近くのスーパーに買い出しのお供に出かけました…。
車の中で本を読みながら待っていると、強風でもないのに異様な車体の揺れが…。
「もしかして?」と慌ててラジオをかけると、案の定鳥島近海を震源とするM6.9の地震が…。
佐久地方でも震度3の揺れだったとか。
幸い被害は殆ど報道されていませんので、一安心しているところですが、
それにしても東日本大震災以降、自然災害の多さや被害の大きさが気になります。
バーンスタインが、ハーバード大を卒業してカーチス音楽院に入学する1939年にスケッチを開始、42年に完成した無名時代の作品。
自らが生きる社会の頽廃や堕落を悟り、
イスラエルの民を救おうと孤軍奮闘する預言者エレミアを描いた、3楽章構成の交響曲です。
クリスタ・ルードヴィッヒの独唱と、作曲者自身がイスラエル・フィルを指揮した演奏で…。
【第1楽章(予言):Largamente】
預言者エレミアが、人々に危機を伝えようとする姿が…。
強い説得力を感じさせるチューバの響きのよって開始されますが、
相容れない曖昧さが付きまと音楽は、
彼の預言に耳を貸そうとしない民衆の姿を表現しているのでしょうか。
そんな曖昧さにミステリアスな印象が感じられる、聴き応えのある第1楽章です。
【第2楽章(冒涜):Vivace con brio】
預言者の説得にもかかわらず、享楽に耽る人々の姿が…。
とは言っても、決して羽目を外した嬌声が飛び交うような世界ではなく、則をわきまえたもの…。
木管の音色には自在さが…、そして躍動的にスイングするジャズのリズム…。
バーンスタインの宗教・道徳観は、禁欲的な生活礼讃とは無縁なものであること、良く理解できます。
【第3楽章(哀歌):Lento】
メゾ・ソプラノが、旧約聖書「哀歌」のテキストを歌い上げる終楽章…。
すすり泣くようなオーケストラの伴奏と、
荒れ果てた祖国を救えなかった無力さを嘆き絶望する、エレミアの悲痛な歌!
ルートヴィッヒの熱唱が心に響きます。
そして、最後はその労苦を慰めるような、癒しの時が訪れます。
ヒューマニストとして知られるバーンスタインが若き日に書いた、大変に聴き応えのある演奏でした。