最近聴いたCD

R.シュトラウス:
4つの歌より「Morgen(明日)」Op.27-4

ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
K.マズアー指揮  ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管


昨日、今日とようやく涼しさが感じられるようになり、遅まきながら、待望していた秋の訪れが…。

「芸術の秋」だからというわけではないのですが、愛犬の朝の散歩を終え、BSにチャンネルを合わせると、

偶々、フェリシティ・ロットのソプラノ、グレハム・ジョンソンのコンサートが放映されていました。

聴き(観)はじめたのが、オッフェンバッハ・メサジュ・カワードといった作曲家の喜歌劇からの、コケティッシュなアリア…。

「朝からクラシックなんて、鬱陶しい!」と言って、独断でチャンネルを切り替えることが多い妻も、

歌詞を見ながら興味深そうに聴いています。


本プログラムが終わり、画面に出たテロップを見ると、「2011年4月15日:王子ホール」。

「歌いながら涙を流したはるので、何でかなと思ってたけど、こんな大変な時期やったんやね!」と、妻!

3.11大震災後の余震が続く中、

日本人ファンのために約束を違えることなく来日し、公演を実現して下さった英断に、

思わずホロリとしてしまいました。


放送は、アンコールへと…。

「大変な状況の中、コンサートに来て下さって嬉しく思います」とのロットの挨拶の後に、ブリテン編曲のイギリス古謡が…。

そして、グラハムの「明日は今日よりも良くなるという思いを込めて、R.シュトラウスの“Morgen!”を…」との言葉の後に演奏されたこの曲は、

悲しみの中にも永遠の拡がりを信じさせてくれるような、慈愛に溢れていました…。

大変な時期に行われた一期一会のコンサートでの、まさに神品とも思える圧巻の演奏に、

思わず目頭が熱くなってしまいました!


スコットランド生まれのジョン・ヘンリー・マッケイによる詩は、以下の通りです。

Und Morgen wird die Sonne wieder scheinen
und auf dem Wege、den ich gehen werde、
wird uns、die Glücklichen
sie wieder einen immitten dieser sonnnenatmenden Erde…

Und den Strand、dem weiten wogenblauen、
werden wir still und langsam niedersteigen、
stumm werden wir uns in die Augen schauen、
und auf uns sinkt des Glückes stummes Schweigen…

機会がありましたら、是非とも一聴(観)されることをお薦めしたい、一期一会の特別な演奏!


この曲の素晴らしさを知るためのディスクとして、オーケストラ版ではジェシー・ノーマンのメゾ・ソプラノ、マズア指揮するライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の演奏があります。

壮大な自然を思わせるオーケストラ伴奏と、それに呼応したようなノーマンの、懐深い永遠の拡がりを感じさせる歌唱は、絶品!

未聴ですが、当のロットが歌った、ヤルヴィ/ロイヤル・スコティシュ管との演奏も、大変に評価の高い演奏のようです。

R.シュトラウス嫌いの方にも、是非ともお聴きいただきたい作品!

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