先週は珍しく多忙で、連日のように旧軽井沢方面へ出かけました。
本来ならば、この地区の別荘の庭は一面が苔に覆われているはずなのですが、
1ヶ月以上に渡る干天続きで、結構手入れの良い庭でも一部赤茶けてしまっていたり…。
ゲリラ豪雨は困りますが、降るべき時期にしっかりと降ってもらわないことには、
いつぞやの夏のように、畑の農作物がのきなみ生育不良に陥ってしまわないかと、心配してしまいます…。
今日エントリーするバラード3番は、
ショパンがパリ社交界でもてはやされ、ジョルジュ・サンド同棲していた1840年から翌年にかけて作曲されたもの。
陰鬱な激情が爆発する他の3曲のバラードとは異なり、
平和で安らいだ気分に満たされているのは、順風満帆な一時期の境遇が反映されていると考えて差し支えないでしょう。
中でも、今日エントリーするフリードリッヒ・グルダが1954年に録音したディスクは、
冒頭から柔らかく滑らかな音色で開始され、
その雰囲気が曲全体を覆って、
時に鼻歌が出るほどに上機嫌に、
時に優雅で洗練された、
そんな演奏に仕上がっているのです。
バラード第3番全曲(と言っても、6〜8分の演奏時間ですが)を納得して聴けた演奏は、これまでに、そう多くはありませんでした。
激情が迸る演奏の場合、この曲の持つ平和で安らいだ気分が、台無しになってしまう、
そういった構成の音楽のように思えるのです。
ショパン演奏の定番とは言えないかもしれませんが、この曲の美しさ、素晴らしさが最もよく表現された演奏!
一聴をお薦めしたい1枚です。