昨年の11月、雪がさっさと積もってしまったために、庭に積もったまま処理することが出来なかった膨大な量の落ち葉を、
半年が経った今日、熊手を使って一か所にかき集めています。
作業で滴る汗が、心地良く感じられれる季節になりました!
こんな清々しい日には、バロック音楽を…。
取り出してきたのがコレッリの「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 第12番」!
「ラ・フォリア」と呼ばれている作品です。
フォリア(folia)とは、15世紀末のイベリア半島を起源とする舞曲のこと。
元来は「狂気」「常軌を逸した」という意味だそうですが、
時代を経るにつれて、優美で憂いを帯びた曲調に変化し、
低音部や和声の進行が定型化されるにつれて、変奏曲形式で演奏されることが多くなったとか。
17世紀にイタリアで大ブレークし、多くの作曲家に採り上げられましたが、
中でもコレッリの作品が群を抜いて有名なため、
固有の作品名と勘違いされる方も、(私も含め)少なからずいらっしゃったようです…。
主題提示と、15の変奏曲(私が聴き取った数です…)から構成された単一楽章のこの曲は、当時のヴァイオリンが持っていた資質をフルに発揮できるよう、
技巧の限りを尽くして書かれた作品として、高く評価されています。
メランコリーを湛えつつも、優雅な主題!
それに続く15の変奏は、
殆ど繋ぎを感じさせないほどに穏やかに流れ、且つ時の移ろいが繊細に感じとれる、
優雅で、深い趣を有した美しい音楽…。
音楽の構成が明瞭に聴き取れるジギスヴァルト・クイケンらによる演奏からは、美しい抒情がこぼれ落ちてくるよう…!
間違いなく、イタリア・バロック音楽の逸品と言える曲であり、演奏だと思います。