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ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント(室内楽版)

チョーリャン・リン(Vn)  アンドレ=ミシェル・シューブ(Pf)


「ディヴェルティメント」とは、明るく軽妙で楽しく、深刻さや暗い雰囲気を避けて曲風を意味します(Wikipedia)。

この作品は、彼のバレー曲「妖精の接吻」から抜粋された後述する4曲から成るものですが、

気温や陽射しがすっかり春本番を思わせるここ一両日、暖房をオフにした日当たりのよい窓辺で、うたた寝しながら聴くには最適の、うららかな心地良さを感じる曲です!


この曲には、作曲者自身が編纂したヴァイオリン&ピアノ版と管弦楽版がありますが、

台湾出身のチョーリャン・リンのヴァイオリンによる室内楽の方を…。

穏やかでメルヘンチックな雰囲気の中に、

滑稽味を漂わせたり、

ちょっぴり蠱惑的だったりして、

楽しさが溢れる演奏です!


【第1楽章:シンフォニア】

もの悲しい情緒に包まれたこの楽章ですが、途中危機感を漂わせつつも、あくまでもメルヘンチックに展開されていきます。


【第2楽章:スイスの舞曲】

第1楽章から続けて演奏されるこの舞曲は、悪魔的にエネルギッシュに開始されますが、

すっとぼけたユーモラスな雰囲気すら漂わせて…。


【第3楽章:スケルツォ】

ヴァイオリンの官能的な音色が印象的な、気楽な遊び心を思わせる音楽。


【第4楽章:パ・ド・ドゥ】

3つの部分から成るこの楽章、

華麗なサロンを思わせるAdagio部は、イントロ部での自己紹介に始まり(「舞踏への勧誘」のよう…)、雅で上品な音楽が…。

続くVariation部は、マジカルで楽しい音楽が…。

そしてCoda部は、大団円へと向かう快適さが…。


代表作の三大バレーの印象からは程遠いと思いますが、

「しゃれていて、粋な娯楽音楽」と言えば、お叱りを受けるかもしれませんが…!

機会がありましたら、ぜひご一聴下さい。

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