この作品は、彼のバレー曲「妖精の接吻」から抜粋された後述する4曲から成るものですが、
気温や陽射しがすっかり春本番を思わせるここ一両日、暖房をオフにした日当たりのよい窓辺で、うたた寝しながら聴くには最適の、うららかな心地良さを感じる曲です!
この曲には、作曲者自身が編纂したヴァイオリン&ピアノ版と管弦楽版がありますが、
台湾出身のチョーリャン・リンのヴァイオリンによる室内楽の方を…。
穏やかでメルヘンチックな雰囲気の中に、
滑稽味を漂わせたり、
ちょっぴり蠱惑的だったりして、
楽しさが溢れる演奏です!
【第1楽章:シンフォニア】
もの悲しい情緒に包まれたこの楽章ですが、途中危機感を漂わせつつも、あくまでもメルヘンチックに展開されていきます。
【第2楽章:スイスの舞曲】
第1楽章から続けて演奏されるこの舞曲は、悪魔的にエネルギッシュに開始されますが、
すっとぼけたユーモラスな雰囲気すら漂わせて…。
【第3楽章:スケルツォ】
ヴァイオリンの官能的な音色が印象的な、気楽な遊び心を思わせる音楽。
【第4楽章:パ・ド・ドゥ】
3つの部分から成るこの楽章、
華麗なサロンを思わせるAdagio部は、イントロ部での自己紹介に始まり(「舞踏への勧誘」のよう…)、雅で上品な音楽が…。
続くVariation部は、マジカルで楽しい音楽が…。
そしてCoda部は、大団円へと向かう快適さが…。
代表作の三大バレーの印象からは程遠いと思いますが、
「しゃれていて、粋な娯楽音楽」と言えば、お叱りを受けるかもしれませんが…!
機会がありましたら、ぜひご一聴下さい。