第2〜4番の3曲は変ホ長調で書かれ、中間に緩徐楽章がおかれるといった共通点がありますが、
第1番だけは、ニ長調でかかれていて、
Allegroの第1楽章と、Rondo(Allegro)の第2楽章のみで構成されています。
最近になって、この曲は死の前年の1790年に着手され、彼の死によって中間楽章は未完に終わったとされているようです。
そして2楽章の原譜には、ホルンのソロが始まる辺りから、
「ゆっくりとーうすのろくんガンバッテ!ー急げーさあ行けー元気を出して……等々」
そんなふざけたような書き込みが…!
そんなエピソードをどう捉えるかはともかくとして、
小学生だったか中学生だったかは憶えていませんが、初めて聴いた時から「良い曲だなぁ!」と思いました。
その当時、一度聴いただけで好きになったモーツァルトの曲って、K.331の「トルコ行進曲」とこの曲の第1楽章ぐらいでした。
エントリーするのは、カラヤン時代のベルリンフィルの名手ゲルト・ザイフェルトの演奏です。
【第1楽章:Allegro】
明るくって、
愉しくって、
のびやかで、
寛げて、
素朴で、
屈託がなく、
自ずと幸福感に満たされてくるような音楽が展開されます!
【第2楽章:Rondo.Allegro】
スポーツとしての狩を思わせるような、伸びやかな躍動感に溢れた、悦びの音楽です。
この曲が本当に死の前年に着手され、未完に終わった最後の作品であるならば、
「彼の人生は、結局はエンターテイメントのために捧げられた」
そんな考えに陥ってしまい、悲しい気持になります…。