最近聴いたCD

W.A.モーツァルト:ホルン協奏曲第1番 ニ長調

ゲルト・ザイフェルト(ホルン)
カラヤン指揮  ベルリン・フィルハーモニー管 


親しい友人だったザルツブルク宮廷楽団のホルン奏者ロイトゲープのために書かれた4曲のホルン協奏曲の内、

第2〜4番の3曲は変ホ長調で書かれ、中間に緩徐楽章がおかれるといった共通点がありますが、

第1番だけは、ニ長調でかかれていて、

Allegroの第1楽章と、Rondo(Allegro)の第2楽章のみで構成されています。

最近になって、この曲は死の前年の1790年に着手され、彼の死によって中間楽章は未完に終わったとされているようです。

そして2楽章の原譜には、ホルンのソロが始まる辺りから、

「ゆっくりとーうすのろくんガンバッテ!ー急げーさあ行けー元気を出して……等々」

そんなふざけたような書き込みが…!


そんなエピソードをどう捉えるかはともかくとして、

小学生だったか中学生だったかは憶えていませんが、初めて聴いた時から「良い曲だなぁ!」と思いました。

その当時、一度聴いただけで好きになったモーツァルトの曲って、K.331の「トルコ行進曲」とこの曲の第1楽章ぐらいでした。


エントリーするのは、カラヤン時代のベルリンフィルの名手ゲルト・ザイフェルトの演奏です。

【第1楽章:Allegro】

明るくって、

愉しくって、

のびやかで、

寛げて、

素朴で、

屈託がなく、

自ずと幸福感に満たされてくるような音楽が展開されます!

【第2楽章:Rondo.Allegro】

スポーツとしての狩を思わせるような、伸びやかな躍動感に溢れた、悦びの音楽です。


この曲が本当に死の前年に着手され、未完に終わった最後の作品であるならば、

「彼の人生は、結局はエンターテイメントのために捧げられた」

そんな考えに陥ってしまい、悲しい気持になります…。

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