最近聴いたCD

F.ディーリアス:管弦楽組曲「北国のスケッチ」

ヴァーノン・ハンドリー指揮  アルスター交響楽団 


今年の冬は、本当に厳しいです!

昨日は日中の最高気温が3℃と比較的暖かかったために、道路に積もった雪が少し溶けたところに、

今朝最低気温が−12℃と冷え込んで、路面の大半が平らな氷状態…。

滑り易く、とても歩くことができないために、

愛犬の散歩も私の日課のウォーキングもお休み!

朝から調べ物をしたり、音楽を聴いたりしています!


今日エントリーするのは、ディーリアスの管弦楽組曲「北国のスケッチ」。

第1曲から順に「秋」「冬景色」「踊り」「春の行進」とタイトル付けされていて、

晩秋から春への、時の移ろいが描かれた作品かと想像するのですが…。

そこにはリリカルな表現とは一線を画した、厳しい灰白色の世界が広がっています。


【第1曲:秋】

靄が立ちこめた晩秋の、薄暗い北国の自然を思わせる音楽。

時折響くホルンの響きは、靄に覆われた大地に射しこむ、薄明るい陽射しのよう…。

でも、心を和ませてくれるような、ほのぼのとした温かみは感じられません。


【第2曲:冬景色】

凍てつくような木管の響き!

雪や氷に覆われた、荒涼とした厳しい自然が描かれているのでしょう…。


【第3曲:踊り】

大変に繊細なのですが、一切の感情が削ぎ落とされたような舞曲。

人の営みの虚しさを感じつつ、ふと心を寄せたくなるような音楽!


【第4曲:春の行進】

タイトルから、花咲き乱れ、光り輝く春の訪れを想像しますが、

ディーリアスの描く春の訪れは、その気配から始まります。

ささやかな悦びは次第に高まりをみせた後、

鳥たち(とりわけカッコウ)の声が静かに響きつつ、曲は終わります!

人の営みとは無関係に、自然は巡ってくるのです…。


情緒的な趣には乏しいものの、それだけに人の心の弱さ、繊細さが伝わってくる佳曲の、余分な感情を一切排した好演だと思います…!

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