全曲は切れ目なく演奏されますが、以下のような内容を持つ4部に分けられています(Wikipediaより)。
第1部は、家庭の主人、妻、子供、叔父、叔母が、ライトモチーフを与えられて紹介されます。
第2部では、無邪気に遊び、疲れて母親の子守歌で眠る子供の様子が…。
子供が眠り、夫婦の情愛が描かれた第3部…。
そして第4部では、子供の養育を巡っての夫婦喧嘩の様子など、賑やかな家庭生活が描かれています。
交響曲というよりも、家庭生活を描いたオペラを聴くような、そんな趣を有した作品…。
私が聴いた範囲で一番愉しく聴けたのは、R.ケンペ指揮するシュターツカペレ・ドレスデンの演奏!
第一印象は、表現が抑制されているためか、地味過ぎて面白味に欠けると感じていたのですが、
昨日、改めて聴いてみると、情景が活写されていて、あたかも細密画を見るような趣の演奏と聴き取れました!
愉しげで、賑やかで…。
平和で、穏やかで、幸福感の満たされていて…。
せわしなく動き回り、時に優しく、時に溌剌と美しく、ある時突然わめき散らしたり…。
夜が更けて穏やかな眠りが訪れ、夢の世界へと誘われ…。
柱時計が7時を告げて、再び一日が始まり、
てんやわんやの余りの忙しさに、思わず洩れるため息等々…。
さすがに、R.シュトラウスとゆかりの深いオーケストラ!
ケンペの曲全体を俯瞰したと秀逸な解釈のもと、
ここの楽器が奏でる多彩な表現に引き込まれながら、
脈絡のないはずの雑多な出来事が表現されたこの曲を、
闊達に飽きることなく聴かせてくれた、素晴らしい演奏だと思いました。