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R.シュトラウス:家庭交響曲

R.ケンペ指揮  シュターツカペレ・ドレスデン 


R.シュトラウス39歳の時に、自らの家族の生活を題材にして作曲されたと言われる、標題交響曲。

全曲は切れ目なく演奏されますが、以下のような内容を持つ4部に分けられています(Wikipediaより)。


第1部は、家庭の主人、妻、子供、叔父、叔母が、ライトモチーフを与えられて紹介されます。

第2部では、無邪気に遊び、疲れて母親の子守歌で眠る子供の様子が…。

子供が眠り、夫婦の情愛が描かれた第3部…。

そして第4部では、子供の養育を巡っての夫婦喧嘩の様子など、賑やかな家庭生活が描かれています。

交響曲というよりも、家庭生活を描いたオペラを聴くような、そんな趣を有した作品…。


私が聴いた範囲で一番愉しく聴けたのは、R.ケンペ指揮するシュターツカペレ・ドレスデンの演奏!

第一印象は、表現が抑制されているためか、地味過ぎて面白味に欠けると感じていたのですが、

昨日、改めて聴いてみると、情景が活写されていて、あたかも細密画を見るような趣の演奏と聴き取れました!


愉しげで、賑やかで…。

平和で、穏やかで、幸福感の満たされていて…。

せわしなく動き回り、時に優しく、時に溌剌と美しく、ある時突然わめき散らしたり…。

夜が更けて穏やかな眠りが訪れ、夢の世界へと誘われ…。

柱時計が7時を告げて、再び一日が始まり、

てんやわんやの余りの忙しさに、思わず洩れるため息等々…。


さすがに、R.シュトラウスとゆかりの深いオーケストラ!

ケンペの曲全体を俯瞰したと秀逸な解釈のもと、

ここの楽器が奏でる多彩な表現に引き込まれながら、

脈絡のないはずの雑多な出来事が表現されたこの曲を、

闊達に飽きることなく聴かせてくれた、素晴らしい演奏だと思いました。

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