それでも、立春に向かって陽射しが日増しに明るくなるのを実感すると、
あと少しの辛抱で木々の芽ぶきも始まると、気持も明るくなってきます!
ベートーヴェンの初期の作品には、春を待つ心にも似た憧れや希望が感じられて、こんな晴れやかな日に聴くには、うってつけのもの!
窓の外に真っ青な空と、光り輝く雪景色を見ながら、初期弦楽四重奏曲の中から、第2番を聴きました。
【第1楽章:Allegro】
明るく開放的な雰囲気に支配され、
時に喜びや憂い、夢見るような表情が顔を覗かせ、
まさに青春真っただ中といった趣の、初々しい魅力に溢れた楽章です!
【第2楽章:Adagio cantabile】
第1部の憧れと厳粛さに満ちた音楽は、高貴な女性への想いでしょうか。
爽やかで活気に溢れた第2部を挟んで、
ヴィオラとチェロが主となる第3部では、一層厳かで繊細な音楽へと高まっていきます。
【第3楽章:Scherzo:Allegro】
春を迎える歓びのように、胸がわくわくするような主部と、
不安と期待への胸騒ぎを思わせるようなトリオ部。
【第4楽章:Allegro molto quasi presto】
呼びかけ、応えるように進行していくこの楽章は、
恰も知的な問答を楽しむかのように、限りなく白熱化していきます!
全曲の頂点に相応しく、若々しい感性が漲った、爽快で大変に充実したフィナーレです。
ズスケ四重奏団の第2番の演奏は、実直で瑞々しい感性に溢れていて、
なぜか憧れと希望に満ちた学生時代を思い出し、久しぶりに懐かしい感慨に浸ることができました。