最近聴いたCD

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
第24番ロ短調 BWV869 

S.リヒテル(ピアノ)


1週間前の成人式の日に降った雪が、寒波が続いたために未だに溶けず、

浅間山を見渡せる農道は、一度除雪がされているものの、

強風によって巻き上げられた雪が路面に高く積もり、とても車が通行できる状態ではありません。

昨日などは、深くなった轍の跡を辿った車の底がつっかえて立ち往生したり、

判別がつかなくなった道路と田んぼの間の側溝にタイヤを落として、脱出出来なかったり…。


県内のあちこちで同様なトラブルが発生しているらしく、JAFを呼んでもなかなか来てくれないとのこと。

迂闊に道幅の狭い抜け道を通ると、対向車とすれ違うことが出来ずに、難しいバックを強いられたり…。

若い頃には平気で出来ていたことも、いつの頃からか怖さを感じるようになってきました。

そんな訳で、今日は出掛けることは止めて、部屋の整理をしたり、本を読んだり、音楽を聴いたりしています。


平均律第1巻の第19〜24番を、リヒテルのピアノで聴きましたが、中でも印象的だったのが第24番ロ短調!

15分を超える泰然自若としたこの演奏。

前奏曲は、賢者の思考とも言うべき高い格調を有したもので、

聴き手に時の流れを忘れさせて、心地良い瞑想へと誘ってくれます。

フーガは、天上からの呼び掛けに思考を巡らせながら、インスピレーションを刺激されつつ、果てることなく止揚をもたらしてくれる壮大な演奏。

バッハのフーガの素晴らしさと、それを聴く歓びを実感させてくれます!


ザルツブルグのクレスハイム宮殿で収録されたこの演奏は、

残響の多さゆえに、録音に関しては否定的に語られることが多いのですが、

少なくともこの24番に関しては、曲の持つ壮大さを余すところなく捉え得た、素晴らしい録音だと思っています。

ホームページへ