軽井沢でも、明け方から降り始めた湿った雪が、日暮れ時まで降り続き、結局30cm強の積雪に…。
春先に降る雪のような重さで、
朝8時頃、正午前、そして夕方の3回雪掻きを…。
そんな合間に、降り続く雪を見ながらたまたま聴いたのが、グリーグのピアノソナタ第2番…。
デンマークのコペンハーゲンでゲルス・ゲーゼに師事して作曲を学んでいたグリーグは、
従妹で優れたソプラノ歌手だったニーナ・ハーゲルップに出会い、1867年に故国ノルウェーに帰国後に結婚。
ヴァイオリンソナタ第2番は、そんな幸せに包まれた中で、ごく短期間に集中して作曲されたと言われています。
【第1楽章:Tempo doloroso-Allegro vivace】
星の瞬きとも、粉雪舞う情景とも感じられる繊細なピアノの響きで開始され、
ヴァイオリンが秘められた情熱を吐露する第1楽章冒頭部…。
主部では、なぜか懐かしさを感じるノルウェー風のフォークソングや、独特のリズムの民族舞曲が奏される中、
随所でリリシズムに溢れた旋律が登場し、
人々の生活と自然風土が一体化した音楽が展開されます。
それぞれの楽器が奏でる繊細な表現は、まるで窓の外に舞う雪片のような美しさ…!
【第2楽章:Allegretto tranquillo】
北欧の静かな夜の情景を思わせる爽やかなリリシズムと、思いの丈を込めた熱い感情が…。
中間部では、土地の人々の素朴さを髣髴させる、安らぎが感じられます。
【第3楽章:Allegro animato】
民族舞曲風の快活なリズムと、
懐かしさを覚えるフォークソングのような素朴な旋律が印象に残る、
躍動的で生命感に溢れた楽章!
デュメイのヴァイオリンとピリスのピアノによる演奏は、
窓外に降りしきる細かな雪を思わせる繊細な抒情と、
ノルウェーの民族舞曲やフォークソングが印象的な名演!
間断なく降りしきる雪に、気分が鬱陶しくなりそうでしたが、
この演奏のお蔭で、ささやかな幸せのおすそ分けを頂いたような、ほのぼのとした気持になれました。