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E.グリーグ:ヴァイオリンソナタ第2番 ト長調

O.デュメイ(Vn)  M.J.ピリス(P)


2013年1月14日、成人の日は全国各地で大荒れの天候とのこと!

軽井沢でも、明け方から降り始めた湿った雪が、日暮れ時まで降り続き、結局30cm強の積雪に…。

春先に降る雪のような重さで、

朝8時頃、正午前、そして夕方の3回雪掻きを…。

そんな合間に、降り続く雪を見ながらたまたま聴いたのが、グリーグのピアノソナタ第2番…。


デンマークのコペンハーゲンでゲルス・ゲーゼに師事して作曲を学んでいたグリーグは、

従妹で優れたソプラノ歌手だったニーナ・ハーゲルップに出会い、1867年に故国ノルウェーに帰国後に結婚。

ヴァイオリンソナタ第2番は、そんな幸せに包まれた中で、ごく短期間に集中して作曲されたと言われています。


【第1楽章:Tempo doloroso-Allegro vivace】

星の瞬きとも、粉雪舞う情景とも感じられる繊細なピアノの響きで開始され、

ヴァイオリンが秘められた情熱を吐露する第1楽章冒頭部…。

主部では、なぜか懐かしさを感じるノルウェー風のフォークソングや、独特のリズムの民族舞曲が奏される中、

随所でリリシズムに溢れた旋律が登場し、

人々の生活と自然風土が一体化した音楽が展開されます。

それぞれの楽器が奏でる繊細な表現は、まるで窓の外に舞う雪片のような美しさ…!


【第2楽章:Allegretto tranquillo】

北欧の静かな夜の情景を思わせる爽やかなリリシズムと、思いの丈を込めた熱い感情が…。

中間部では、土地の人々の素朴さを髣髴させる、安らぎが感じられます。


【第3楽章:Allegro animato】

民族舞曲風の快活なリズムと、

懐かしさを覚えるフォークソングのような素朴な旋律が印象に残る、

躍動的で生命感に溢れた楽章!


デュメイのヴァイオリンとピリスのピアノによる演奏は、

窓外に降りしきる細かな雪を思わせる繊細な抒情と、

ノルウェーの民族舞曲やフォークソングが印象的な名演!

間断なく降りしきる雪に、気分が鬱陶しくなりそうでしたが、

この演奏のお蔭で、ささやかな幸せのおすそ分けを頂いたような、ほのぼのとした気持になれました。

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