最近聴いたCD

B.バルトーク:弦楽四重奏曲第3番

タカーチ弦楽四重奏団


1927年、バルトークが40歳代半ばに書かれたこの作品は、

ハンガリーの民族音楽研究に没頭した後に書かれたもので、

弦楽器に打楽器的な演奏法が要求されていますが、

同時にシェーンベルグの無調音楽の影響も受けていとも言われています!


単一楽章の作品ですが、

今日エントリーするタカーチ四重奏団のCDでは、

第1部・第2部・第1部の再現部とコーダという3つのトラック分けられていますので、

これに基づいて印象を列記しますと…。


【第1部:Moderate】

厳しい静寂に支配された第1部は、

原始社会の目覚めを髣髴させる、神秘的な厳かさが漂います。

シャーマニズムに支配されたような印象は、

ストラヴィンスキー「春の祭典」と類似した雰囲気を感じるのです…!


【第2部:Allegro】

哀愁を含んだマジャール民族特有の旋律が、次第に荒々しい熱気をお似てくるさまは、

前述した「春の祭典」を思い起こす、血沸き肉踊る素晴らしい音楽!


【第1部の再現とコーダ:Moderate- Allegro vivace】

全てが灰燼に帰し、原始の祈りを思わせるような悲痛感を漂わせる再現部と、

そこから立ち上がる民族の強靭なエネルギーを思わせる、コーダ部!


タカーチ四重奏団の、静謐且つ厳格でありながら、アグレッシブな表現を聴くと、

マジャールの人たちの、誇り高き高さに、強い共感を覚えます。

タカーチ四重奏団2度目のスタジオ録音は、

この曲の至高の名演だと、私は思います!

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