昼間は暑くって、音楽を聴く気になれません。
今日も、日中は暑くなりそうですが、風が心地良く感じられるので、朝の内に音楽を聴くことにしました。
こんな時は、やはりモーツァルトですよね!
数か月前に入手した、ゲザ・アンダの弾き振り、特に初期から中期にかけての演奏が気に入っています。
この人のピアノの音色の、美しさは、清冽という言葉がぴったりするように思います。
今日エントリーする第11番ヘ長調、特に第1、2楽章の涼やかなのどけさ…。
子供の頃、毎年お盆にお世話になった、母の実家で過ごした日々を、思い出しました。
「宿題やったか!」と言われることもなく、
炊きたてのご飯で、大好きな鶏のすきやきをたらふく食べて…。
しかし、お盆が終わって家へ帰ると、
最初の1週間分しか手が付けられていない宿題が、山のように残っているし、
朝炊いてジャーで保存され、夕方にはえずきそうな嫌な臭いがするご飯を、
美味しそうに食べなければ、父に怒鳴られるし…。
まるで、天国から地獄へ戻ったような心境だったこと、思い出しました。
【第1楽章:Allegro】
冒頭部は、軽快な愉しさと同時に、落ち着いた寛ぎが感じられる、リラックスした音楽!
端正に弾かれるアンダのピアノの、透明で美しい響きは、
湧きいずる泉が、陽の光を受けてきらめきながら、流れていくさまを髣髴させます。
清冽で涼しげなピアノの音色が、印象的!
【第2楽章:Largetto】
弦がゆったりと刻むピッチカートに乗って歌われる、素朴で郷愁を感じさせる親しみやすい旋律は、
のどかな風景の中をを逍遙するような、穏やかな満足感が漂います。
ピアノは奏でる、装飾音を抑えた淡々とした歌には、素朴で滲み出るような喜びが漂います!
【第3楽章:Tempo di menuetto】
終楽章は、一転して仄かな憂いを含みつつ、雄渾に流れる旋律!
不思議な味わいを湛えつつ、其の余韻を残したままに、曲は終了します…。
第1、2楽章が素朴で、田園的な鄙びたのどかさが感じられるという点で、
モーツァルトの作品の中で、最近好きになった曲であり、演奏です!、