最近聴いたCD

J.オッフェンバック:
喜歌劇『地獄のオルフェ(天国と地獄)』序曲

W.サヴァリッシュ  バイエルン国立歌劇場管弦楽団


今日は、昨日と比べて最高気温が10℃以上低く、半袖では肌寒いような気候…。

気分転換を兼ねて、サヴァリッシュ指揮する管弦楽名曲集Uを聴き始めたのですが…、

暑さ疲れのせいか、聴き初めてすぐに、居眠りをはじめたようです…。

ふと気が付くと、聴き覚えのない、妙なる音楽が流れています。

トラックナンバーで確認すると、喜歌劇『地獄のオルフェオ(天国と地獄)』序曲…。


そういえば、都会住まいをしていた頃は、例の「カンカン踊り」の旋律がご近所に漏れ聞こえるのが気恥ずかしく思えて、

わざわざこの曲を飛ばしていたものでした…。

だから、こんな妙なる旋律を、聴き逃していたのでしょうね。

今の家では、他人様に漏れ聞こえる心配もないし、気兼ねなくと思ったのですが…。

それでも、例の部分に差し掛かると、気恥ずかしさに襲われてきて、

思わず音量を小さくしてしまいました…。


ギリシャ神話のオルフェウスの悲劇を題材にした、グルックの歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』

これを題材として、パロディ化した喜歌劇の内容を調べてみますと…。


グルックの歌劇では、「亡くなった妻を愛する余りに、地獄へと赴く」という、感動的な夫婦の物語なのです…。

ところが『地獄のオルフェオ』は、当時の偽善に満ちたパリ社交界を皮肉ったもので…


「妻の死後、愛人を作った夫オルフェオですが、

亡き妻をいつまでも愛しているという世間体を取り繕うために、妻に会いに地獄へと赴くと…、

そこでは妻が新しい愛人と放蕩三昧の生活を送っていた!

それでも二人は、今も愛し合っている体を取り繕おうとする…」


今で云う、仮面夫婦を皮肉った作品なのでしょうね!

我家とは、(多分)縁のない話だと、強く信じたいのですが…。

内容を知った上で、あらためてこの序曲を聴いてみて、

「なかなか気の利いた、良い音楽だなぁ」と、傾聴することができましたし、

最後の「カンカン踊り」も、強烈な皮肉を込めた、良く出来た曲だとは思いましたが…。

それでも、音量を少しだけ絞ってしまいました!

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