強い陽射しが照りつける今日は、標高950mの我家でも30℃を優に超えている模様…。
とにかく蒸し暑いです!
朝の散歩が終わった時点から、部屋の中では扇風機が回り続けています。
すぐ隣の群馬県では、39℃を超えた地区もあるようです。
それと比べれば、扇風機の風だけでとりあえずは涼が得られるのですから、ありがたいと思わなければ…。
久しぶりに、爽やかな声でシューベルトの歌曲が聴きたくなって、
ボストリッジの選集から何曲かを選んで聴きましたが、
今日一番気に入ったのは「羊飼いの嘆きの歌(D121)」。
1814年、18歳のシューベルトが、文豪ゲーテ(1749-1832)が1802年に書いた同名の詩に曲を付けたものですが、
この詩は絵画の分野でも、ドイツロマン派の画家、カスパー・ダーヴィド・フリードリヒの創作意欲に火を点けたようで、
代表作の一つ、「虹のある風景」生み出したと言われています。
愛する女性が遠い国へと旅立った後、絶望する羊飼いの青年の心を、繊細かつ美しく謳い上げた詩とされており、
前述した絵画に漂う陰鬱な雰囲気や、
これまで聴いたフィッシャー=ディスカウやプレガルディエンの歌唱からも、>p>『若きウェルテルの悩み』にも通じる、
死をもってのみ解決される内容の作品と思っていたのですが……。
ところが、ボストリッジの歌唱を聴くと、
過ぎ去りし若き日を懐かしむかのように、
実に瑞々しく初々しい感性で表現されています。
これまでこの曲に抱いていたペシミステックなイメージは払拭され、
前途洋々たる未来を信じる、18歳の青年が書いた音楽であることを痛感した次第です!
いい演奏だと思いますので、是非ご一聴下さい!