妻に訊くと、イベールの「喜遊曲」だとか…。
「そう言えば…」程度の記憶しかなく、早速CDを探し出して、あらためてスピーカーの前で聴いてみました。
昔、パロディー音楽って、曲名当てクイズのようで、結構好きだったんです。
パリ生まれの作曲家イベール(1890-1962)の作風は、しばしば軽妙・洒脱・新鮮・煎連といった言葉で表現されますが、
ラビーシュの喜劇『イタリアの麦藁帽子』(作者も劇内容も全く知りません)のために自身が書いた付随音楽の中から6曲を選び、
室内オーケストラ用のディヴェるティメントとしたもの。
以下の6曲から成る、おもちゃ箱をひっくり返したような、愉しい曲集です!
【第1曲:序曲】
遊園地の雑踏を思わせる、きびきびとして活気のあるこの音楽。
雑然としていますが、「この先どうなるのか!」と、期待が膨らみます。
【第2曲:行列】
ホルンが穏やかに響く中、フルートによるエキゾチックな旋律が流れて…。
静けさを破るように、唐突にカーニバルのような賑やかな音楽が鳴り響きます!
そして、これも唐突に「結婚行進曲」のパロディーが…。
「草競馬」などのアメリカ民謡のパロディーも聴き取れ、結構面白いものです!
【第3曲:夜想曲】
お化けでも出てきそうな暗闇の雰囲気を湛えつつ開始され…。
天空には月が煌々と輝き、深まる静寂…。
ショパンのようなロマンチックな夜想曲とは、一味違います…。
【第4曲:ワルツ】
波を蹴立てて進む船を思わせるように、勇壮で絢爛豪華に開始されますが、
おもちゃの人形が踊るような愛らしさと、紳士・淑女が踊る優雅なワルツが入り混じって、愉しさは最高潮に!
【第5曲:パレード】
「パレード」とは、サーカスや、見世物小屋の客寄せショーを意味するそうですが…。
おもちゃの兵隊さんが行進しながら近付き、遠ざかっていく、ウキウキするような可愛い音楽です!
【第6曲:フィナーレ】
先ずピアノが乱打され、カーニバルを思わせる賑やかな音楽が登場!
途中、間の抜けたようなファンファーレを挟んで、ホイッスルが鳴り響くはなど、ハチャメチャに盛り上がります!
梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばす、ストレスフリーな音楽。
尚、この曲は「デュトワ、フレンチコンサート」に収録されているもので、
「イベール管弦楽曲集」には収録されていませんので、念のため!