長野県でも、松本では32℃を超えたとか…。
こんな日ですから、涼と刺戟を求めて、以前交響曲全集として買っておきながら、これまで未聴だった曲を聴くことにしました。
スウェーデンの作曲家アルヴェーン(1872-1960が、20歳代の半ばに作曲した交響曲第2番は、
当時、スウェーデン王立音楽アカデミーから奨学金を受ける身分でありながら、
第1〜3楽章のスケッチを提出後、総譜の提出を怠ったために、奨学金給付がストップされたために生活に困り、
「窮鼠猫を噛む」が如くに、慌ててこの作品を完成させたと言われています。
ストックホルム近郊の島でスケッチされた、北欧の自然や民族の息吹が感じられる第1〜3楽章を補筆完成させ、
終楽章には、哀歌を思わせるプレリュードと、
荘重且つ静謐さを湛えつつ展開されるフーガが加わることによって、
壮大な民族抒情詩の趣きが感じられる作品に仕上がりいました。
エントリーするのは、N.ヤルヴィ/イェーテボリ管による交響曲全集から…。
【第1楽章:Moderate】
牧歌的な抒情に溢れた第1主題と、
仄かな憂愁を湛えた第2主題…。
北欧の黄昏時を髣髴させる、抒情的な楽章です!
【第2楽章:Andante】
忍び寄る闇の世界を物語るような第1主題と、
抒情的な感動を表現したような第2主題(or中間部)。
悲恋物語を髣髴するような楽章です。
【第3楽章:Allegro】
劇的な要素をはらみつつ、妖精が飛び回るメンデルスゾーンの世界を思わせる楽章。
北欧の闇に纏わる伝説を感じさせる、魅力に富んだ音楽です、
【第4楽章:Prelude(Allegro)、Fuga(Allegro agitate)】】
前述しましたように、弦楽合奏によって、悲しみの歌がフーガ風に奏でられるプレリュ^ド部に続き、
英雄を湛えるかのように力強く、且つ厳かなコラール風の壮大なフーガは圧巻!
中間部の高貴な静謐さは、まるでバッハを思わせるよう!
「壮大な民族的抒情詩」と書いたのは、こういった所以からです。
第2,3楽章など、求心力に欠けて、冗長な印象も受けることは否定しませんが、
それでも、壮大なロマン的感動を与えてくれるこの作品は、もっと聴かれて良い作品だと思います。
是非とも、ご一聴下さい!