最近聴いたCD

カミュー・サン=サーンス:組曲『動物の謝肉祭』

アルゲリッチ、フレiレ(p) クレーメル、ケーレン(vn)
ツィマーマン(va)  マイスキー(vc)他


1886年、51歳のサン=サーンスは、友人の住むオ―ストリアの田舎町で謝肉祭を楽しみましたが、

その最終日に催された、友人の主催するプライベートな演奏会の余ために、室内楽用として書かれた、全14曲から成る作品。

実在の、或いは架空の様々な動物が、鋭い観察力とユーモアのセンスによって描かれていますが、

色んな作品のパロディーが使われているために、

オリジナルな第13曲「白鳥」を除き、

他の曲は、サン=サーンスの生前に出版することは、許可されませんでした。

しかし、彼の死の翌(1922年)年に管弦楽作品として演奏され、一躍人気作品になったとか!


今日エントリーするのは、1981年からクレーメルが主催するロッケンハウス室内音楽祭の常連たちによる演奏!

気心の知れた仲間たちが、リラックスしながらアンサンブルを楽しむといった趣の演奏です。

もしこの演奏をライブで聴いていれば、客席のあちこちで随所で忍び笑いが起こるような、リラックスした雰囲気の愉しいコンサートだったろうと、想像しています。

登場する動物隊は、以下の通りです…。

1. 序奏と獅子王たちの行進 
2. メンドリとオンドリ
3. ロバ
4. 亀
5. 像
6. カンガルー
7. 水族館
8. 耳の長い登場人物
9. 森の奥のかっこう
10. 大きな鳥かご
11. ピアニスト
12. 化石
13. 白鳥
14. 終曲


「面白いな!」と思った曲をpいくつ列挙すると、

「序奏と獅子王たちの行進」での、演奏前のチューニングを思わせる「序奏」と、

威風堂々とした素材を使いながらも、どこかおかしみを感じさせる“裸の王様”を想像させる、「獅子王たちの行進」。

有名な「天国と地獄」のカンカン踊りのテーマが、実際の歩みより更にのろく、“愚鈍”とも感じられる「亀」…。

美しい音楽なのですが、生命感が全く感じられない「水族館」…。

チェロの響きに神経質に反応する、ヴァイオリンの甲高い音色!「耳の長い登場人物」とは、風評に悩まされる有名人(=サン=サーンス)?

ピアノの美しいアルペジオに乗って、物淋しげに歌われるチェロの響きが印象的な「白鳥」!

こんな印象を抱きながら気楽に聴ける、愉しい演奏でした!

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