全曲を通して、祖国ボヘミアの自然や、民族的な舞曲などが満載された作品!
それらの情緒が雑然と横溢していために(特に第1楽章)、
以前はまとまりに欠ける側面のみを感じていたのですが、
今日エントリーするノイマン/チェコ・フィルの2度目の録音を聴いて、
その横溢するボヘミア情緒を初めて楽しめたものでした。
【第1楽章:Allegro ma non troppo】
ホルンの響きがパストラールな響きを醸す中、
鳥の囀りを思わせるクラリネットやフルートの響き!
ボヘミアののどかな自然が髣髴された後は、
勇壮で力強い、覇気に満ちた舞曲が繰り広げられます!
展開部や再現部では、様々な形でのボヘミア情緒が繰り広げられ、
時に雑然とした印象は免れませんが、
瑞々しく、共感にう満ちた音楽と感じさせてくれるのは、
ノイマン/チェコ・フィルという、本場の演奏のみがなし得る業なのでしょうか!
【第2楽章:Andante con moto】
寂しげで、懐かしさを覚える民謡風の主題と、
ピチカートに乗って穏やかに奏でられる中間部。
慎ましく咲く野の花のような、
そんな人々の生活が偲ばれる、愛情溢れる佳曲です!-
【第3楽章:Scherzo、Allegro scherzando】
明るく快活な主部と、
特徴的なアクセントをつけたリズムが、力強く盛り上がっていくトリオ部。
開放的なボヘミアの農民生活を思わせる舞曲…。
【第4楽章:Allegro molto】
郷土の雄を讃えるように、親しみと懐かしさを覚える勇壮な序奏部!
土俗的な力強さを有した、舞曲風の主部の力強さと、
ボヘミアの黄昏時を思わせる、ノスタルジックな美しさ!
スメタナの「我が祖国」を思い浮かべるような、
大変に味わいの深い終楽章!
スピーカーからボヘミアの大気を流れてくるような、録音の素晴らしさも特筆ものだと感じました!