最近聴いたCD

バルダサーレ・ガルッピ:
チェンバロ・ソナタ第1番(ピアノ版)

A,B.ミケランジェリ(ピアノ)


18世紀ヴェネチアのぽ作曲家ガルッピ’(1706-85)は、20歳代でオペラ作曲家としての名声を築き、

その後ロンドンやペテルブルグでも成功を収めて帰国、サン・マルク寺院の学市長に就任。

生涯に100曲を超えるオペラを作曲しましたが、

チェンバロ奏者としても活躍し、85曲のチェンバロのための作品を残しています。

今日エントリーするチェンバロ・ソナタ第1番ハ長調は、

私の持っているミケランジェリのディスクには、「ソナタ第5番ハ長調」と記されており、

何故、このように異なっているのか、どちらが正しいのかは判りませんが、

とりあえず、多くのカタログに記載されている第1番でエントリーしておきます。…。


ミケランジェリのピアノで聴くこの曲は、

幼い頃に天井からつりさげられていたおもちゃのメリーゴーランドから流れてくるオルゴールの音を聴くような、どこかメカニカルな響きなのですが、

それ故に、懐かしい至福の時へと、いざなってくれるのです。


【第1楽章:Andante】

シンプルで滑らかな美しい旋律が、

研ぎ澄まされた硬質な響きで、イン・テンポで淡々と惹かれているようなのですが、

よーく聴くと絶妙のゆらぎが…!

以前に聴いたチェンバロによるテンポルバートの大きな演奏とは、印象は全く異なりますが、これがミケランジェリの特質なのでしょうね!

そんなさりげない揺らぎが、

幼い頃に幸福なまどろみに誘われた日々を懐かしむように、

何度か主題が繰り返されつつ、至福の時は過ぎていきます。


弾けるように、明るく活発な【第2楽章:Allegro】や、

転がるような活発さと、時折穏やかさが顔を覗かせる、【第3楽章:Allegro assai】は、

正直申して、第1楽章の魅力には及びません。

でも、懐かしい至福の安らぎをもたらしてくれる第1楽章だけでン¥も、是非ともご体験頂ければ、と思います。

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