最近聴いたCD

ミハイル・グリンカ:
モーツァルトの主題による変奏曲(ハープ版)

スーザン・ドレーク(ハープ)


ロシアの作曲家グリンカ(1804-57)は、未だロシアに音楽学校がない時代に、アイルランドの作曲家で、ノクターンの創始者と言われるジョン・フィールドに師事したそうです。

1822年、グリンカが20歳の時に書かれた「モーツァルトの主題による変奏曲(ピアノ版&ハープ版)」を初めて耳にした時、

歌劇『ドン・ジョバンニ』の二重唱「奥様、お手をどうぞ!」の素朴な旋律が、

夢見るように、きらびやかな抒情性を漂わせながら変奏されていくのを、「ロシア音楽らしからぬ…?」と思いながら聴き入ったものですが、

フィールドの影響を受けていたことを今になって知り、ようやく納得できました!


ピアノ版とハープ版の二種類が残されているそうですが、今日エントリーするのは、ハープ版の方!

スーザン・ドレークの独奏によるこの演奏は、

きらびやかな抒情性に加えて、即興的な閃きが時に感じられる、活き活きとした愉しい演奏に仕上がっています。


山間を縫うようにさらさらと流れる渓流の爽やかな空気が感じられる、第1変奏!

風に揺れる新緑お枝葉の合間からこぼれる陽の光のゆらぎを思わせる、しっとりしていながら爽やかな第2変奏!

水琴窟に響く水音を思わせる静寂感が、心地良い爽やかさを醸す第3変奏!

まどろみの心地良さを覚える、第4変奏!

晴れやかな気分で、ゆったりと歩むような、確信に満ちた第5変奏!


標高950mの我家でも、蒸し暑さを感じる季節になってきました。

純粋無垢な素朴なメロディーが、清涼感を呼ぶハープの音色によって変奏されていくさまは、爽やかそのもの。

一聴されることをお薦めしたい作品であり、演奏です!

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