最近聴いたCD

アンプロワーズ・トマ:歌劇『レーモン』序曲

ポール・パレー  デトロイト交響楽団


歌劇『レーモン(又は王妃の秘密)』は、フランスの文豪A.デュマの小説「鉄仮面」の第2部を題材にして、書かれたとか…。

オペラ自体が今日演奏されることは殆どないそうで、近年は、序曲のみが稀にコンサートにかかっている程度…。

でも、序奏部に続く弦楽器が奏でる旋律は(TPOがどうしても思い出せないのですが)、

幼い頃に聴いたことのある、大変に懐かしいものですし、

その後のギャロップ調の小気味好いリズムも、

運動会のフィナーレとして大いに盛り上がったクラス対抗リレーを思い出すような、

華やかで、心が浮き立つような、高揚感に溢れた音楽!

エントリーする演奏は、パレー/デトロイト響によるもの。

アクセルをいくら踏み込んでもびくともしない、

強い推進力とゆとりが感じられる、心地良い演奏です!


冒頭部は、壮麗で勇ましい、行進曲風のファンファーレで開始されます。

それが治まると、不穏さを予兆するようなパッセージが奏され、

チェロが物悲しい旋律を奏した後に、

ピチカートに乗って、前述した懐かしい感傷的な旋律が登場し、

クラリネット、フルートへと受け継がれることによって、異国情緒に溢れた哀愁が漂うこの部分は、素直に美しいと思います!

尚、この部分に関しては、デュトワ/モントリオールの素晴らしい演奏がありますので、こちらもお薦めしておきます!


ギャロップ風の活発な部分は、まさに心が飛び跳ねるように浮き立つ、乗りの良い演奏!

ストレス・フリーに楽しめる名曲だと思います。

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