最近聴いたCD

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番 BWV1003 

イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)


大型連休後半のスタートとなった5月3日、軽井沢は一日中しとしとと雨が降り続いていました。

今朝は未明から雷鳴が轟き、一時的にまとまった雨が…。

そのせいか、我家の周囲の落葉松林も一気に芽吹き、遅まきながら新緑の季節が訪れようとしています。

少し湿り気を帯びた風も、新芽の香りを帯びているようで、爽やかに感じられますし、

鳥たちも一段と活発に囀っているように聞こえてきます。


こんな心地良い朝でしたので、

久しぶりにバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番を、

名盤の評価が高いシェリング、グリューミオ、パールマンの演奏で聴き比べましたが…。

格調が高く峻厳さを漲らせたシェリング盤、

時に悠久の大自然に吸いこまれそうな静謐さを湛えたグリューミオ盤、

共に素晴らしいとは思いましたが、

今朝の晴れやかな気分にピッタリとはまったのは、自然の息吹が聴き取れる、パールマンの演奏!

次から次へと、様々なインスピレーションを喚起させてくれる多彩な閃きは、

多年にわたるスコア研究の成果に加えて、

技巧をひけらかさない技術の賜物かと、感じ入りました。


自然と一体化した感動が、極めて素直に伝わってくる第1楽章(Grave)。

一つの閃きを素材にして、互いに呼び交わすように、次々と果てしなく、多様に発展していく第2楽章(Fuga)の素晴らしい演奏!

一歩一歩、大らかに高みへと歩んでいくような、第3楽章(Andante)。

阿吽の呼吸というか、間髪をいれずに奇跡のように流れ、連なっていく雄弁な第4楽章(Allegro)の爽快さ!

曲の持つメッセージの多彩さが、素直に伝わってくる演奏だと、感じ入りました!

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